ジョナサン・モンク『レンティキュラー・ルイット』@ TARO NASU


Jonathan Monk Lenticular LeWitt © 2018 Jonathan Monk Courtesy of TARO NASU

ジョナサン・モンク『レンティキュラー・ルイット』
2018年4月12日(木)-5月12日(土)
TARO NASU
http://www.taronasugallery.com/
開廊時間:10:00-18:00
休廊日:日、月、祝

TARO NASUでは、既存の作品を素材に「模倣」という方法論のもと、コンセプチュアル・アートを再考する作品で知られるジョナサン・モンクの個展『レンティキュラー・ルイット』を開催する。

ジョナサン・モンク(1969年レスター生まれ)は、1980年代後半の学生時代より、オマージュ、パスティーシュ、ダブルイメージ、引用、見立てなどの手法を駆使し、既存の作品を素材に新たな解釈を加えて再構成した作品制作に取り組む。「オリジナルであることは不可能に近い」と、これまでにエド・ルシェ、ブルース・ナウマン、ローレンス・ウィナー、ジェフ・クーンズなどの作品を再解釈した作品を発表している。近年はバーゼルラント美術館(2016)、ローマ現代美術館[MACRO](2015)などで個展を開催。これまでに第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2009)、第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003)、ホイットニー・ビエンナーレ2006、第2回ベルリン・ビエンナーレ(2001)、台北ビエンナーレ2000など、ヨーロッパを中心に数多くの国際展、展覧会で作品を発表している。

本展で発表する作品でモンクが扱うのは、コンセプチュアル・アートの先駆者、ソル・ルイットによる「100cubes(100個の立方体)」。ソル・ルイットには立方体の単純な形のヴァリエーションを連続的に示した本の形式のシリーズがあり、「100cubes」もそのひとつである。モンクは2001年にこの「100cubes」をフリップブック(パラパラ漫画)として16mmフィルムで撮影しているが、本作では同じ「100cubes」を撮影し、レンティキュラープリントの写真として発表する。レンティキュラープリントとは、見る角度によって絵柄が動きその結果、立体的な効果を実現する印刷技術のこと。展示空間には、壁にぐるりと横一列に99点の作品を並べ、観客自身が動くことでルイットが描いた立体を三次元的に体験することになる。モンクのインスタレーションは、三次元の対象物を二次元の視覚世界に封じこめたルイットの作品を、ふたたび本来の三次元世界に解放する。

カタカナ表記は主催者資料に基づく

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