gesture, form, technique IV @ TARO NASU


ピエール・ジャンヌレ「Easy armchair」PJ-SI-29-A,ca.1955-56.

gesture, form, technique IV
2017年5月20日(土)-6月24日(土)
TARO NASU
http://www.taronasugallery.com/index.html
開廊時間:10:00-18:00 
休廊日:日月祝

TARO NASUでは、ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレが共同設計した家具類を中心に、モダニズムデザインとアートの交点を探るシリーズの第4回、『gesture, form, technique IV』展を開催する。

ル・コルビュジエ(1887-1965)は、スイスのラ・ショ-=ド=フォン生まれ。当地の美術学校で学んだ後、1918年にピュリスム(純粋主義)を唱え、画家として活動する。建築は、ペレ、ベーレンスに短期間師事したほかは独学で、1927年、ジュネーヴの国際連盟本部の設計コンペティションに当選して建築家としての名をあらわした。代表的な建築は、ポワッシイのヴィラ・サヴォア(1929-31)、マルセーユのユニテ・ダビタシヨン(1947-52)、ロンシャンの聖堂(1950-54)などがある。

コルビュジエは多くのプロジェクトにおいて、他の建築家やデザイナーと共同しながら制作を進めていたことが知られている。1950年代に手がけたチャンディーガル(インド)の都市計画も同様に、デザイナーでありル・コルビュジエの従兄弟でもあったピエール・ジャンヌレと計画を進めた。本展覧会では、シリーズ初の試みとして、都市の中枢機関であるキャピトル・コンプレックス(高等裁判所・行政庁舎・議会棟)のために設計した家具類を展示する。

また、多くの現代美術家たちは、コルビュジエやジャンヌレらが築いた成果をひとつの指針とし制作活動を行ってきた。アメリカ現代美術を代表するひとりであるドナルド・ジャッド(1928-1994)は彼らの仕事を前提にミニマリズム彫刻を構想した。リアム・ギリック (1964-)は建築家具や什器の設計に、美術史や詩的なテキストを交じわらせることによって「生活を芸術化すること」を目指す。さらに、田島美加(1975-)は人々を取り囲む住居や工場の環境から作品を構想し、人間と人間が作り出すモノや環境との関係について考察している。

本展は、彼らの作品をあわせて展示することによって、ル・コルビュジエやジャンヌレらが築いた仕事を、現代的な問題として提示しようと試みる。


ピエール・ジャンヌレ「6 hole bookcase」PJ-R-27-A,ca.1957-58.


ジャン・プルーヴェ「Standard chair」ca.1950


ジャン・プルーヴェ「Compass table」ca.1953


ジャン・プルーヴェ、シャルロット・ぺリアン「Antony bed」ca.1954

Courtesy of SIGN, TARO NASU

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