世界に対する知と信 @ 駒込倉庫


髙柳恵里個展『事実』TALION GALLERYでの展示風景、2017年、courtesy of the artist and TALION GALLERY, Tokyo

世界に対する知と信
2018年2月3日(土)-2月25日(日)
駒込倉庫
https://www.facebook.com/KomagomeSOKO/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:月、火、祝
※オープニングレセプション:2月3日(土)18:00-20:00

企画:上田剛史(TALION GALLERY)

駒込倉庫では、TALION GALLERYのディレクター、上田剛史による企画展『世界に対する知と信』を開催する。出品作家は、奥村雄樹、髙柳恵里、豊嶋康子の3名。

上田はジュリアス・シーザーの『ガリア戦記』より、「人間は、自分の見たいものしか見ようとしない。信じたいことを喜んで信じる」という言葉を引き、「世界の像に対する知と信の偏向と非同一性は、いつの時代も変わることのない条件であったとしても、それと同時に人間は、見ることも信じることもできないものに恐れや好奇心を抱き、打ち棄てることのできない価値を見出そうとしてきた」と述べる。認識の構造をめぐる多くの知的実践や学術的研究は領域を越えて蓄積しており、それは美術の領域も例外ではない。

本展では、それぞれに異なるアプローチと方法論の軸を保持しながら、作品毎に主題や素材、手法を変えつつも、自己と対象、概念、システムなど、自他をめぐる構造それ自体への取り組みを見せてきた奥村、髙柳、豊嶋の三者三様の実践を通じて、世界における知性や信頼をとりまく勢力図が様変わりしつつある今日、認識の構造と他者性を問い直す。


奥村雄樹「Na(me/am)」2017年、形態可変、Convent (ゲント) での展示風景、2018年、courtesy of the artist and MISAKO & ROSEN, Tokyo

奥村雄樹(1978年青森県生まれ、ブリュッセルおよびマーストリヒト在住)は、「私」の不確定性や作者性を再考する作品や美術史の再訪、他者との恊働に言及した作品で知られる。近年は『奥村雄樹による高橋尚愛』(銀座メゾンエルメスフォーラム、2016)や個展『な』(京都市立芸術大学ギャラリー、2016)、ブリュッセルのウィールズ、森美術館、東京都現代美術館などの展覧会に参加。現在、ゲントのConventにて個展『Na(me/am)』を開催しているほか、昨年、statementsで発表した映像作品「帰ってきたゴードン・マッタ=クラーク」の上映会およびトークイベントを、仙台の全部・穴・会館〈ホール〉で2月6日に開催(最下部に基本情報掲載)。

髙柳恵里(1962年神奈川県生まれ、東京都在住)は、「やり方としては未知で手探り」「誰も別に良いとも悪いとも言ってくれない場所でやってみよう」と作家自身が形容する一貫した態度で制作活動を行なう。90年代には『第10回ハラアニュアル』(原美術館、1990)や『MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム』(東京都現代美術館)に参加。これまでに国立国際美術館(2003)、武蔵野美術大学美術資料図書館 民俗資料室ギャラリー(2006)、上野の森美術館ギャラリー(2014)、switch point(2016)などで個展を開催。昨年はTALION GALLERYで個展『事実』を開催。約30年に及ぶ活動の全貌をまとめた作品集を刊行。多摩美術大学八王子キャンパス アートテーク・ギャラリーでグループ展『髙柳恵里×髙山陽介×千葉正也』を開催。

豊嶋康子(1967年埼玉県生まれ、埼玉県在住)は、90年代から日常生活を構成する制度や基準を軽やかかつ鋭く批評する作品の制作をはじめ、近年は自己を規定するシステム、他者との関わりをも対象に含んだ制作活動を展開している。2014年には『TOYOSHIMA YASUKO : works 1990-2013』を刊行。近年の主な個展に、『四角形』(Maki Fine Arts、2017)、『豊嶋康子展』(ガレリア、フィナルテ、2017)『ある順番に並べる』(M画廊、栃木、2016)、『資本空間-スリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.1豊嶋康子』(ギャラリーαM、2015)、主なグループ展にアッセンブリッジ・ナゴヤ2017『パノラマ庭園-タイム・シークエンス-』、『第9回恵比寿映像祭 マルチプルな未来』(2017)などがある。


豊嶋康子「天地左右_3D」2018年、紙、ボールペン

奥村雄樹トーク&「帰ってきたゴードン・マッタ=クラーク」上映会
2018年2月6日(火)19:00-21:30
全部・穴・会館〈ホール〉(宮城県仙台市青葉区大手町3-2)
http://sendai.survivart.net/
イベントURL:http://sendai.survivart.net/?p=516
参加費:500円(軽食付き。飲食持ち込み可)
予約方法は、上記イベントURLを参照。

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