新・今日の作家展2017 キオクのかたち/キロクのかたち @ 横浜市民ギャラリー


是恒さくら『ありふれたくじら』Vol.1原画刺繍(部分)布、糸、2016年 撮影:根岸功

新・今日の作家展2017
キオクのかたち/キロクのかたち
2017年9月22日(金)-10月9日(月・祝)
横浜市民ギャラリー
http://ycag.yafjp.org/
開廊時間:10:00-18:00 入場は閉廊30分前まで
会期中無休

横浜市民ギャラリーでは、同時代の美術を紹介、現代の表現を考察する企画展『新・今日の作家展2017 キオクのかたち/キロクのかたち』を開催する。

新・今日の作家展は、1964年の開館から2006年まで開催していた年次の企画展「今日の作家展」の理念を受け継ぐ形で、昨年からテーマ展として再始動した企画展。今回は「キオクのかたち/キロクのかたち」を副題に、土地や歴史の調査、人々へのインタビューなど、広く過去の事物との接触を制作過程に取り入れた作品を制作しているアーティストを紹介する。

参加アーティストは、笹岡啓子、小森はるか+瀬尾夏美、是恒さくら、久保ガエタンの4組。出身地の広島について、写真を通じたアプローチで考察を続けるとともに、海岸線や火山といった地勢や地表が刻むその土地の過去や経過に関心を寄せてきた笹岡啓子は、東日本大震災の被災地を含む日本各地での撮影を通じ、災害から復興を遂げる場所に向き合い、連続展覧会や『Remembrance』や『Shoreline』といった小冊子の刊行を継続している。小森はるか+瀬尾夏美は東日本大震災後に陸前高田を生活および制作拠点に移し、ユニットとして風景と人々のことばの記録をテーマに制作を展開してきた。2015年に拠点を仙台に移し、近年は小森はるかが初の映画作品『息の跡』、瀬尾夏美は開催中のヨコハマトリエンナーレ2017に参加するなど、個々の活動でも注目を集めている。是恒さくらは、アラスカや東北で先住民、捕鯨文化、漁労文化などのフィールドワークを行ない、異文化間の価値共有の可能性を手工芸やリトルプレスを通して探求している。また、久保ガエタンは、自らのルーツと関わる跡地で「記憶の遠近法」と呼ぶ調査を基に、さまざまな事柄を独自の装置を通して結びつけ、考察を行なう。本展には、自身の母の出生地、フランスでリサーチした新作を発表する。


小森はるか+瀬尾夏美「波のした、土のうえ-置き忘れた声を聞きに行く」映像、24分、2014年


小森はるか+瀬尾夏美、小森はるか 巡回展「波のした、土のうえ」in盛岡(Cyg art gallery)2015年

関連イベント
是恒さくらパフォーマンス“『ありふれたくじら』を読む”
2017年9月23日(土・祝)、24日(日)13:00-13:30
会場:横浜市民ギャラリー 展示室B1

クロストーク「継承のかたち」
小森はるか+瀬尾夏美 x 山本唯人(青山学院女子短期大学助教、社会学・空襲研究)
2017年9月23日(土・祝)14:30-16:00
会場:横浜市民ギャラリー 4階アトリエ

対談「1,2,3,太陽!」
久保ガエタン x 山川冬樹(現代美術家、ホーメイ歌手)
2017年9月24日(日)14:30-16:00
会場:横浜市民ギャラリー 4階アトリエ

クロストーク「爆心地の写真」
笹岡啓子 x 倉石信乃(明治大学教授、写真史)x 小原真史(映像作家、キュレーター)
2017年10月1日(日)14:30-16:00
会場:横浜市民ギャラリー 4階アトリエ


笹岡啓子「PARK CITY」2016年 ©︎Keiko Sasaoka


久保ガエタン「僕の体が僕の実験室です。あるいはそれを地球偶然管理局と呼ぶ。」(2017年)より展覧会風景 Courtesy of the artist and Kodama Gallery

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