田名網敬一『貘の札』@ NANZUKA


田名網敬一「幽霊は壁を通る」2017年 ©Keiichi Tanaami, Courtesy of the artist and NANZUKA

田名網敬一『貘の札』
2017年6月24日(土)-8月5日(土)
NANZUKA
http://nug.jp/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※オープニングレセプション:6月24日(土)18:00-20:00

東京・渋谷を拠点とするNANZUKAは、これまで活動を続けてきた渋谷アイビスビルの地下1階から同ビル地下2階へとスペースを移し、移転後初の展覧会として、同ギャラリーでは約3年ぶりとなる田名網敬一の新作個展『貘の札』を開催する。

田名網敬一は1936年東京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科在学中に日宣美で特選を受賞し、グラフィックデザイナーとしての活動を開始する一方で、篠原有司男らとともにネオダダや反芸術の活動にも参加し、読売アンデパンダン展などにも出品。以降、ジャンルに捕われず、その境界を積極的に横断して制作活動を展開、80歳を超えた現在も国内外で数多くの展覧会を開催している。2015年から2016年にかけて、ウォーカー・アートセンターやダラス美術館、フィラデルフィア美術館を巡回したポップアートの大回顧展『International Pop』や2015年にテート・モダンで開催された『The World Goes Pop』にも出品。ニューヨーク近代美術館、ハンブルガー・バーンホフ現代美術館(ベルリン)、M+(香港)などが作品を収蔵している。


田名網敬一「めくるめく都市」2016年 ©Keiichi Tanaami, Courtesy of the artist and NANZUKA

田名網は近年、自身の記憶や夢を原風景にして、80年以上に及ぶ自身の歴史を描いた「曼荼羅図」の制作に取り組んでいる。本展で発表する新作には、幼少期に見た戦争の記憶や1978年から続けている夢日記との関係のみならず、田名網自身が影響を受けたキリコやウォーホル、リキテンシュタイン、若冲、エッシャーといったアーティストの作品も描かれる。田名網自身、「死後に住む世界」と解説したこのような新作絵画のほか、本展では昨年のニューヨークでの発表以来、各地の映画祭で上映されているアニメーション作品「笑う蜘蛛」の上映も行なう。

なお、昨年も未発表コラージュ作品集『Dream Fragment(夢のかけら)』と『Fragrance of Kogiku(小菊の香り)』を出版した田名網だが、本展に合わせて、近作イメージを収録した2冊のアートブック『貘の札』と『Psychedelic Death Pop』を発表。『貘の札』はかつて田名網が自家出版した『田名網敬一の肖像』(1967)、『巨像未来図鑑』(1969)のコンセプトを継承した1冊で、宇川直宏がアートディレクションを手がける400ページの豪華本。100部限定でブロンズ製のケースも販売。一方、『Psychedelic Death Pop』は40ページの大判のペーパーブック。特別付録として大型ステッカー2点が収録されている。


田名網敬一『Psychedelic Death Pop』(2017年、HIOSHINA)

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