吉仲太造「生きもの H」1955年 板橋区立美術館
日本におけるキュビスム−ピカソ・インパクト
2016年11月23日（水・祝）-2017年1月29日（日）
埼玉県立近代美術館
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/
開館時間：10:00-17:30 （入場は17:00まで）
休館日：月（1/9は開館）、および年末年始（12/26-1/3）
埼玉県立近代美術館では、1907年頃パリに発生し、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって主導されたキュビスムが、日本においてどのように受け入れられたかを紹介する展覧会を開催する。
キュビスムが日本へ伝えられたのは1910年代から20年代にかけてのことだが、キュビスムを初めて本格的に探究した萬鐵五郎、パリに留学していた東郷青児、独自にキュビスムを消化した坂田一男だけでなく、通常はキュビスムとは結びつけられない前田寛治らの類似した作品群はこの様式の日本での広がりを示している。しかし、多くの画家は束の間の実験に手を染めた後、キュビスムから足早に立ち去った。
ひとたび姿を消したキュビスムの影響は、1951年に東京と大阪で開かれたピカソの展覧会において復活する。1950年代前半、ピカソは日本の美術界に大きな衝撃を与え、その影響は洋画のみならず、日本画から彫刻、工芸といったジャンルにまで及び、多くの作家がキュビスムの手法を取り入れながら、さまざまな主題の作品を制作した。
この展覧会は、キュビスムが二度にわたって別々の文脈で日本の作家たちに受容された、という仮説に基づいて組み立てられている。世界的にみてもきわめて稀な日本におけるキュビスムの動向を、ピカソとブラックの作品、そしてそれらに触発された作家たちの作品により紹介する。また、関連企画としてレクチャーやディスカッション、映画の上映会を開催する。
出品作家：パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、東郷青児、萬鐵五郎、古賀春江、柳瀬正夢、村山知義、仲田定之助、黒田重太郎、今西中通、川口軌外、坂田一男、三岸好太郎、前田寛治、難波田龍起、恩地孝四郎、小山田二郎、鶴岡政男、松本竣介、池田龍雄、阿部展也、佐藤敬、岡本太郎、山田正亮、吉原治郎、髙山辰雄、下村良之介、三上誠、辻晉堂、林康夫、山田光など（89名）
※会期中に一部展示替え予定
鶴岡政男「夜の群像」1949 年 群馬県立近代美術館
関連企画
レクチャー＆ディスカッション
「ピカソ・インパクト－1950年代の日本におけるキュビスムの影響」
2016年12月4日（日）
第一部［レクチャー］13:30-14:15（13:00開場）
尾崎信一郎氏 （鳥取県立博物館副館長）
第二部［ディスカッション］14:30-16:00
池田龍雄氏 （本展出品作家）× 尾崎信一郎 × 建畠晢 （埼玉県立近代美術館館長）
場所：埼玉県立近代美術館2階講堂
定員：100名 （当日先着順）
費用：無料
上映会「メトロポリス」
2016年1月15日（日）11:00-、15:00-の２回上映 （開場は30分前）
場所：埼玉県立近代美術館2階講堂
定員：各回100名 （当日先着順）
費用：無料
フィルム提供：かもめ座FILMアーカイブ http://www.kamomeza.com/
東郷青児「帽子をかむった男（歩く女）」1922 年 名古屋市美術館
仲田定之助「首」1924 年 東京国立近代美術館