開館40周年記念展「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」@ 国立国際美術館


ロバート・ラウシェンバーグ「至点」1968年 国立国際美術館蔵
© Robert Rauschenberg Foundation
提供:NTT InterCommunication Center [ICC]

開館40周年記念展「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」
2018年1月21日(日)‒ 5月6日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00-17:00
休館日:月(ただし、2/12、4/30は開館)、2/13
特設ウェブサイト:http://www.nmao40.com/

展覧会担当:植松由佳(国立国際美術館主任研究員)
橋本梓(国立国際美術館主任研究員)
林寿美(国立国際美術館客員研究員)

国立国際美術館では、開館40周年を記念した特別展『トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために』を開催する。本展は、大幅な修復を加えたロバート・ラウシェンバーグの「至点」(1968)をはじめとする所蔵作品、所蔵作品に着想を得た新作のコミッションワーク、そして、パフォーマンスを展示室で継続的に展開する試みを交えた、国立国際美術館全館を用いた大規模な展覧会となる。

国立国際美術館は、1970年に開催された日本万国博覧会の際に建設された万国博美術館を活用し、国内外の現代美術を中心とした作品を収集、保管、展示し、関連する調査研究及び事業を行なうことを目的に、1977年に日本で4番目の国立美術館として万博記念公園内に開館した。2004年に建物の老朽化と美術館の新たな展開に対応するため、中之島へと移転し現在に至る。ジョアン・ミロの陶板大壁画「無垢の笑い」(1969)1点からはじまったコレクションも現在では約8,000点を数え、これまでに260以上の特別展・企画展を開催するとともに、教育普及活動や関連イベントなどさまざまな活動を展開している。

二部構成となる本展の第一部「The Multilayered Sea:多層の海」には、時間や歴史、記憶という多層化したレイヤーから現代社会の姿を浮かび上がらせる作品が並ぶ。同館開館時のコミッションワーク、高松次郎の「影」(1977)の上に、ピピロッティ・リストの映像の投影を試みるなど、同館にゆかりの深い収蔵作品と、それらにつながりをもつ現代作家の作品が、時間や空間を横断する対話を生み出すような配置が展開される。また、カリン・ザンダーは収蔵作家に自身の作品や作家活動を「音」で表現してもらい、それらを展示室で「見せる」新作を発表する。

第二部の「Catch the Moment:時をとらえる」では、インスタレーションや映像をはじめ、時代とともに多様性が増していくアーティストの表現様式に、美術館はどう対応できるのか、美術館の未来の可能性を検討する。とりわけ、パフォーマンス作品における過去の記録、またライブアートとしての展示に着目し、その可能性を探求していく。開館日は毎日行なわれるアローラ&カルサディーラのパフォーマンス作品「Lifespan」(2014)のほか、ロベルト・クシミロフスキ笹本晃はアーティスト自身によるパフォーマンスを発表、また、ヒーメン・チョンの手がけたパフォーマンス作品が発表される。

会期中には、上述したパフォーマンスのほか、アーティスト・トークや特別対談、特別講演会、ワークショップなど、さまざまな関連イベントの実施を予定している。

出品作家(予定)※美術館収蔵品からの出品も含む ピピロッティ・リスト、高松次郎、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー、ジョアン・ミロ、ヘンリー・ムア、アレクサンダー・コールダー、ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス、ロバート・ラウシェンバーグ、カリン・ザンダー、畠山直哉米田知子藤井光大竹伸朗、ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ、テリーサ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラー、アルベルト・ジャコメッティ、安齊重男、ボリス・ミハイロフ、シュウ・ジャウェイ(許家維)、小泉明郎、シアスター・ゲイツ、ヤン・ヴォー、須田悦弘、ナイリー・バグラミアン、ティノ・セーガル、アローラ&カルサディーラ、マリーナ・アブラモヴィッチ、ロバート・スミッソン、ポール・マッカーシー、ヴィト・アコンチ、植松奎二、白髪一雄、工藤哲巳、塩見允枝子(千枝子)、榎忠、篠原有司男、彦坂尚嘉、森村泰昌、村上三郎、塩田千春笹本晃、ヒーメン・チョン、関川航平、ロベルト・クシミロフスキ、サムソン・ヤン[楊嘉輝]


アローラ&カルサディーラ「Lifespan」2014年 国立国際美術館蔵
© Allora & Calzadilla; Courtesy Lisson Gallery

関連イベント
アーティスト・トーク
2018年1月21日(日)
第1部11:30-13:00
登壇者:ピピロッティ・リスト、ジョージ・ビュレス・ミラー、カリン・ザンダー、藤井光、大竹伸朗、キュウ・タケキ・マエダ、アレクサンダー・ビルヒラー、許家維(シュウ・ジャウェイ)(いずれも本展出品作家)
第2部15:30-17:00
登壇者:須田悦弘、塩見允枝子(千枝子)、植松奎二、関川航平ほか(いずれも本展出品作家)
会場:国立国際美術館B1階講堂
定員:110名(先着順)
※参加無料、第1部のみ英日通訳あり、第1部・第2部入れ替え制、当日10:00より各部の整理券配布(1名につき1枚)

パフォーマンス
アローラ&カルサディーラ「Lifespan」2014年(国立国際美術館蔵)

2018年1月21日(日)-5月6日(日)※開館日は毎日
平日:14:00-
土日祝及び振替休日(2/12、4/30):11:00-、15:00-
会場:国立国際美術館B2階展示室
所要時間:いずれも約15分間
※参加無料(要観覧券)

パフォーマンス
ロベルト・クシミロフスキ「Vol/frame」2018年(作家蔵)

2018年1月21日(日)10:00-17:00
会場:国立国際美術館B2階展示室
※参加無料(要観覧券)

パフォーマンス
笹本晃「Yield Point(降伏点)」2017年(作家蔵)

2018年1月21日(日)14:00-
2018年3月17日(土)14:00-
2018年3月18日(土)14:00-
会場:国立国際美術館B2階展示室
所要時間:いずれも約20分間
定員:30名(先着順)
※参加無料(要観覧券)、当日10:00より整理券配布

パフォーマンス
ヒーメン・チョン「ショート・パフォーミング・ストーリー」2018年(作家蔵)

※予約制、参加無料(要観覧券)
※実施日時及び予約方法など詳細は決まり次第公式ウェブサイトに掲載

アーティスト・トーク
登壇者:ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ(本展出品作家)
2018年2月2日(金)18:30-
会場:国立国際美術館B1講堂
定員:130名(先着順)
※参加無料、英日通訳あり

特別対談
登壇者:萩原弘子(大阪府立大学名誉教授)、藤井光(本展出品作家)
2018年3月3日(土)14:00-
会場:国立国際美術館B1講堂
定員:130名(先着順)
※参加無料、当日10:00より整理券配布

ワークショップ
講師:関川航平(本展出品作家)
2018年4月14日(土)、15日(日)
※詳細は決まり次第公式ウェブサイトに掲載

アーティスト・トーク
講師:ヒーメン・チョン(本展出品作家)
2018年4月21日(土)14:00-
会場:国立国際美術館B1講堂
定員:130名(先着順)
※参加無料、英日通訳あり、当日10:00より整理券配布

特別講演会
「まだ見ぬ存在:パフォーマンス・アートにおける法律(仮)」

講師:アラナ・クシュニール(キュレーター/法律家、オーストラリア)
協力:オーストラリア大使館
2018年5月予定
※参加無料、英日通訳あり
※詳細は決まり次第公式サイトに掲載

※その他の関連イベントは公式ウェブサイトを参照

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