クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91 @ 水戸芸術館現代美術ギャラリー


「アンブレラ 日本とアメリカ合衆国のジョイント・プロジェクト」1991年 2枚組のドローイング ©Christo, 1991 Photo:Wolfgang Volz

クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91
2016年10月1日(土)-12月4日(日)
水戸芸術館現代美術ギャラリー
http://arttowermito.or.jp/
開館時間:9:30-18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、10/10は開館)、10/11

展覧会担当:井關悠(水戸芸術館現代美術センター学芸員)

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、景観を変貌させる大規模なプロジェクトで知られるクリストとジャンヌ=クロードが、かつてカリフォルニア州南部と茨城県北部で実現したプロジェクト「アンブレラ」を振り返るドキュメンテーション展『クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91』を開催する。

クリスト・ヤヴァシェフ(1935年ブルガリア、カブロヴォ生まれ)と、ジャンヌ=クロード・ド・ギユボン(1935年モロッコ、カサブランカ生まれ)は、60年代初頭から共同で制作活動を行なう。94年に名義を「クリスト」から「クリストとジャンヌ=クロード」に変更、ジャンヌ=クロードが亡くなった2009年以降も、同名義で作品を発表している。代名詞とも言える「梱包」の対象は、日用品からはじまり、68年のベルン美術館を梱包する作品以降、「ランニング・フェンス」(1972-76)や「梱包されたライヒスターク、ベルリン、1971-95」(1995)など、建物や景観そのものにまで展開している。巨額の費用を有するにもかかわらず、短期間で消えてしまう彼らの大規模なプロジェクトは、芸術の不朽性という観点から彫刻の概念をくつがえすのみならず、地域や社会全体を巻き込んだプロセスを不可避的に内包している。2016年6月には北イタリアのイセオ湖に浮かぶ色鮮やかな布の桟橋「ザ・フローティング・ピアーズ、イタリア、イセオ湖、2014-2016」を実現し、国際的な話題を呼んだ。また、現在進行中のプロジェクトとして、「オーバー・ザ・リバー、コロラド州アーカンサス川のプロジェクト」と「ザ・マスタバ、アラブ首長国連邦のプロジェクト」がある。これら3つのプロジェクトについて、本展会期初日の講演会で、クリスト本人が語る予定。

本展の核となるのは、クリストとジャンヌ=クロードが1991年秋にカリフォルニア州南部と茨城県北部で実施した「アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91」。同作品は、カリフォルニアの丘陵地帯に1,760本の黄色の傘、茨城県の水田地帯に1,340本の青色の傘を同時に配置したもので、18日間の会期中にアメリカで200万人、日本で50万人が鑑賞したとされている。本展では、ドローイングやコラージュ作品、写真、傘本体のほか実際に使用された資材、スケールモデルなどを展示し、1991年の「アンブレラ」を振り返る。

関連企画
クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ展 開催記念講演
講師:クリスト
2016年10月1日(土)14:00-16:00(開場:13:30)
会場:みと文化交流プラザ大会議室(6F)(水戸市五軒町1-2-12※水戸芸術館より徒歩1分)
定員:200名(先着順、予約不要)、無料
2016年6月、北イタリアで実現した最新プロジェクト「ザ・フローティング・ピアーズ、イタリア、イセオ湖、2014-2016」と現在進行中の「オーバー・ザ・リバー、コロラド州アーカンサス川のプロジェクト」、「ザ・マスタバ、アラブ首長国連邦のプロジェクト」について、クリスト本人が語る。


「アンブレラ 6-8マイル、3000本の傘のプロジェクト」1985年 ドローイング ©Christo, 1985 Photo: Eeva-Inkeri


「アンブレラ 日本とアメリカ合衆国のジョイント・プロジェクト」1986年 2枚組のコラージュ ©Christo, 1986 Photo:Wolfgang Volz


「アンブレラ 日本とアメリカ合衆国のジョイント・プロジェクト」1990年 2枚組のドローイング ©Christo, 1990 Photo:Wolfgang Volz

※そのほかの関連企画は、公式ウェブサイトを参照。

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