ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー『Experiment in F# Minor(嬰ヘ短調の実験)』


Experiment in F# Minor (2013) © Janet Cardiff and George Bures Miller / Courtesy of Gallery Koyanagi

ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー『Experiment in F# Minor(嬰ヘ短調の実験)』
2013年8月7日(水)–10月19日(土)
ギャラリー小柳
http://www.gallerykoyanagi.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝(夏期休廊:8/15-19)

「音」を核とする作品で鑑賞者に日常とは異なる体験をもたらすことで知られるジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの個展『Experiment in F# Minor(嬰ヘ短調の実験)』が、ギャラリー小柳で開催される。

カーディフ(b.1957)とミラー(b.1960)は、カナダのアルバータ大学で出会うと、1995年頃から共同制作を始める。ヘッドフォンから流れるカーディフの語りを聞きながら、公園や美術館、街中などを巡り、目前の光景と聞こえてくる音から創り出される情景と物語によって、鑑賞者のあらゆる知覚を活性化する「ウォーク」シリーズや、高度な音響技術を駆使したサウンド・インスタレーションを継続的に発表している。2012年のドクメンタ13では、カッセルの森の中に30個を超えるスピーカーを設置し、森が刻んできた千年の時の流れを体感させる壮大なサウンドスケープを現出される「森、千年のあいだ」(2012年)を発表した。

本展では、最新作となるサウンド・インスタレーション「Experiment in F# Minor(嬰ヘ短調の実験)」(2013年)を展示する。暗いギャラリー空間に浮かび上がる大きなテーブルの上に、あらゆる形と大きさの72個のスピーカーが林立するように設置され、鑑賞者の動きや影によって、あらゆる音が時に静かに、時に複雑に混じり合った楽曲となり、無限に変化する音楽を奏でる。そして人がいなくなると、音は消えていき、やがて無音が訪れる。

なお、カーディフ&ミラーはあいちトリエンナーレ2013への参加も決まっており、別々に録音した40人の聖歌隊の声を、整然と並べられた40台のスピーカーで再構成した代表作「40声のモテット」(2001年)を出品する。


Janet Cardiff The Forty Part Motet (2001) A re-working of Spem in Alium Nunquam Habui 1573, by Thomas Tallis © Janet Cardiff & George Bures Miller / Courtesy of Gallery Koyanagi Photo: Myoung-Rae Park (Platform Seoul Installation 2008)

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