「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編」展 @ 東京都写真美術館


田本研造「箱館市中取締 裁判局頭取 土方歳三」(部分) 1869年
(後年のプリント)ゼラチン・シルバープリント 函館市中央図書館

総合開館20周年記念
「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編」展
2017年3月7日(火)-5月7日(日)
東京都写真美術館 3階展示室
http://topmuseum.jp/
開館時間:10:00-18:00(木、金は20:00まで)
休館日:月(ただし月曜が祝日の場合は開館し、翌平日休館。5月1日は開館)

展覧会担当:三井圭司(東京都写真美術館学芸員)

東京都写真美術館では、幕末から明治期の初期写真を体系化すべく、日本全国の美術館、博物館、資料館などの公開機関を持つ施設の協力のもと実施された、10年以上にもおよぶ大規模な調査の集大成として、『夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編』展を開催する。

写真の専門美術館として、写真・資料の保存や継承の重要性を普及するために、写真美術館では2006年度より日本全国の公開期間を持つ施設にアンケートを行ない、その回答をもとに、調査、出品交渉などを実施。2007年から2013年にかけて、「関東」「中部・近畿・中国」「四国・九州・沖縄」「北海道・東北」の順で、調査結果を発表する展覧会を隔年で開催してきた。

本展はこれまでの調査、展示の総まとめとして、現存する貴重なオリジナルの写真作品、資料を、〈であい〉(江戸時代末期の写真流入期)、〈まなび〉(訪日した外国人写真師らから写真術を学んだ鵜飼玉川や上野彦馬、下岡蓮杖など第一世代写真師)、〈ひろがり〉(日本の西洋近代化の流れとともに第一世代から写真術を伝承された第二世代写真師)の三部構成で紹介する。国指定重要文化財の写真作品をはじめ、同館収蔵作品および協力機関である日本大学藝術学部の収蔵作品のほか、全国規模の収蔵調査を通じて選ばれた作品および資料などを出品。イメージではなく「物」として存在するオリジナルとともに、台紙裏面のデザインを鑑賞できる立体的な展示や写真帖の全内容を投影展示するほか、写真に関わる版画、写真機材、書簡などを一堂に会して紹介する。

会期中には国内外のパネリストとともに初期写真に関する国際シンポジウム「幕末」を開催するほか、写真開拓史講座や古典技法ワークショップを開催。また、会期中に一部作品およびアルバムページの展示替を行なう。スケジュールは以下の通り。
第1期:3月7日(火)-3月20日(月、祝)
第2期:3月22日(火)-4月9日(日)
第3期:4月11日(火)-4月23日(日)
第4期:4月25日(火)-5月7日(日)


フェリーチェ・ベアト「愛宕山からのパノラマ」1863-1864年 アルビューメンプリント 東京都写真美術館

関連企画
初期写真 国際シンポジウム「幕末」
登壇者および発表タイトル:
高橋則英(日本大学藝術学部教授)
「江戸最後の20年と写真」
クリスチャン・ポラック(明治大学政治経済学部客員教授)
「横須賀写真:エミール・ド・モンゴルフィエの日本(1866-1873)」
セバスティアン・ドブソン(初期写真研究家)
「プロイセン―ドイツが観た幕末日本―1860-61年のオイレンブルグ遠征団が残した写真」
ルーク・ガートラン(セント・アンド リュース大学准教授)
「日本の名刺判写真と清水東谷:横浜写真再考」
范如菀(国立台南大学動画媒体設計研究所助理教授)
「幕末の写真表現性について―外国人写真家が見た日本と台湾」
フィリップ・ダレス(チューリッヒ大学研究員)
「幕末のスイス人写真師:開港期に関するピエール・ジョセフ・ロシエの新発見」
司会:三井圭司(東京都写真美術館学芸員)
2017年3月26日(日)15:00-18:00
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190名(整理番号順入場、自由席)、無料(要本展チケット)、英日通訳付
※当日10:00より1階ホール受付にて入場整理券を配布

写真開拓史講座「初期写真を巡る講演会」
講師:谷昭佳(資料編纂所史料保存技術室[写真]技術専門職員)
「“写真”と“文献”資料から読み解く写真史」
2017年4月1日(土)15:00-17:00
会場:東京都写真美術館1階スタジオ
定員:50名(自由席)無料(要本展チケット)
※当日10:00より1階総合受付にて受講整理券を配布

講師:三井圭司(東京都写真美術館学芸員)
「初期写真を見ることについて」
2017年4月8日(土)15:00-17:00
会場:東京都写真美術館1階スタジオ
定員:50名(自由席)無料(要本展チケット)
※当日10:00より1階総合受付にて受講整理券を配布

講師:鳥海早喜(日本大学藝術学部専任講師)
「初期写真をめぐる定着されたものたちの話」
2017年4月15日(土)15:00-17:00
会場:東京都写真美術館1階スタジオ
定員:50名(自由席)無料(要本展チケット)
※当日10:00より1階総合受付にて受講整理券を配布

古典技法ワークショップ「鶏卵紙プリントワークショップ」
講師:エバレット・ブラウン(元epa通信社日本支局長/ブラウンズフィールド代表)
Aコース|2017年4月22日(土)13:00-17:00
Bコース|2017年4月23日(日)13:00-17:00
会場:東京都写真美術館1Fスタジオ
定員:各コース12名(事前申込制、先着順)有料
※詳細は3月中旬に公式ウェブサイトにて発表

※そのほかの関連企画は、公式ウェブサイトを参照。

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