坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス @ TOTOギャラリー・間


ラ・セーヌ・ミュジカル(フランス、パリ近郊/2017)設計:Shigeru Ban Architects Europe ©Nicolas Grosmond

坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス
2017年4月19日(水)-7月16日(日)
TOTOギャラリー・間
http://www.toto.co.jp/gallerma/
開廊時間:11:00-18:00
休廊日:月、5/2-5/5、ただし、4/29(土・祝)は開館

TOTOギャラリー・間では、新しい建築資材や独自の建築手法を展開するとともに、長年にわたり国内外の難民や被災者の支援プロジェクトを継続する坂 茂の、1999年以来18年ぶり2回目となる個展『坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス』を開催する。

坂茂は1957年東京都生まれ。10代後半で渡米すると、南カリフォルニア建築大学、クーパー・ユニオン建築学部で学ぶ。磯崎新アトリエ勤務を経て、85年に坂茂建築設計を設立。再生紙製の紙管に着目し、「紙の教会 神戸」(1995)や「ハノーバー国際博覧会2000日本館」(2000)を手がけ、さらに安価かつどこでも入手可能な紙管の利点を活かして「避難所用簡易間仕切りシステム(PPS)」(2004-)などといった災害支援へとその可能性を展開した。95年には災害支援活動団体ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)を設立。同年から99年にかけて国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)コンサルタントを務めた。近年の代表的な建築に、「ポンピドー・センター – メス」(2010)や「大分県立美術館 OPAM」(2014)などがある。2013年には、水戸芸術館現代美術ギャラリーで、初期作品から当時進行中だったプロジェクトまで、その活動の全貌を俯瞰する展覧会を開催。2014年には災害支援と多方面におよぶ建築活動が高く評価され、建築界における最も栄誉ある賞として知られるプリツカー賞を受賞した。そのほか、これまでに数々の賞歴を残している。

本展では、「木」という素材の特長や可能性に改めて注目している坂が世界各地で進行中の最新プロジェクトのプロセスを通して、その設計思想と取り組みを紹介する。2017年春にパリ近郊のセガン島にオープンする、約1,200人収容のクラシック音楽専用のホールを中心とした複合音楽施設「ラ・セーヌ・ミュジカル」は、坂のキャリアにおいて最大規模となるプロジェクト。本展では、約4mの断面模型や着工から竣工までの定点観測映像など、コンペから完成までの6年間にわたる設計、建設プロセスをモックアップや映像を使って紹介。そのほか、現在進行中の「スイス時計会社本社」、「台南市美術館」、「富士山世界遺産センター」、「竹田市クアハウス」「由布市ツーリストインフォメーションセンター」、さらに慶応義塾大学 SFC の学生により建設されるペーパーハニカム・パネルでつくられたドームなどの木・紙構造のモックアップの展示を通じて、設計、開発、建設のプロセスを紹介する。

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予告編「坂茂:プロジェクツ・イン・プログレス」

関連企画
坂茂講演会「坂 茂:作品づくりと社会貢献の両立」 ※既に申込終了
講師:坂茂
2017年4月19日(水)18:30-20:30(開場:17:30)
会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F)
定員:758名(事前申込制)
無料

ART iT Archive
インタビュー 坂茂「問いの建て方、問いの解き方」(2013年3月掲載)


台南市美術館(台湾、台南/進行中)設計:坂茂建築設計 ©坂茂建築設計


富士山世界遺産センター(日本、静岡県富士宮市/進行中)設計:坂茂建築設計 ©坂茂建築設計

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