菅木志雄「分けられた指空性」 @ 小山登美夫ギャラリー


「止潜」Halted Latency 2017 wood, acrylic h.188.5 x w.150.0 x d.10.5 cm
Photo by Kenji Takahashi © Kishio Suga, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

菅木志雄「分けられた指空性」
2017年4月28日(金)-6月10日(土)
小山登美夫ギャラリー
http://tomiokoyamagallery.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日・月・祝

オープニングレセプション:4月28日(金)18:00-20:00

小山登美夫ギャラリーでは、1960年代終わりから70年代にかけて起こった芸術運動「もの派」のメンバーであり、戦後日本美術を代表するアーティストのひとり、菅木志雄の個展を開催する。

菅木志雄は、1944年岩手県盛岡市生まれ。1968年多摩美術大学絵画科を卒業。在学中の1967年に第11回シェル美術賞を受賞。1978年に第38回ヴェネツィア・ビエンナーレに出展。以後『前衛芸術の日本』(ポンピドゥーセンター、1986年)、『戦後日本の前衛美術』(横浜美術館からグッゲンハイム美術館へ巡回、1994年)、『太陽へのレクイエム:もの派の美術』(ブラム&ポー、2012年)など数々の展覧会に参加。近年、国内では、『菅木志雄展』(ヴァンジ彫刻庭園美術館、2014~2015年)、『菅木志雄 置かれた潜在性』(東京都現代美術館、2015年)と、ふたつの大規模個展が同時期に開催された。2016年秋、Pirelli HangarBicocca(ミラノ)での展覧会をはじめ、スコットランド国立近代美術館でのカーラ・ブラックとの二人展、Dia: Chelsea(ニューヨーク)での個展と、欧米の美術館において連続して展覧会を開催。今年は第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際展の出展作家として選出されている。2016年、第57回(2015年度)毎日芸術賞を受賞。

本展は、小山登美夫ギャラリーでの個展としては2015年『志向する界景』以来6度目の開催であり、大小含め約30点の新作を見ることのできる貴重な機会となる。

「<もの>のもの足り得るあり方に意識を向けると、そこには、どうしても『相依』している状況があらわれてくる。ひとつの<もの>や、<ある状態>を考えようとすると、自分が目指しているものだけでなく、もろもろの<もの>がつながってくる。やっかいなことに、それぞれの<もの>が、わたしが直接関与するかどうかにかかわらず、それぞれにリアルにあるべき存在性と現実感をかもしだしている。それらはそれなり性向をもち、そこにあるべき姿が、当然そこにあるべきことを主張している。単純に見える状態もあれば、複雑な様相を呈したものまであるが、それらは、『相依性』が基盤にある。ものによっては、わたしが使用しようとする<もの>に、直接かかわっているものもあれば、間接的にあって、見えかくれしているものまで種々である。ただ<ある>というのであれば、わたしはなんの苦労もなく、モノ(作品)を表わすことができるだろうが、なかなかそうはかない。なにしろ『相依性』という前提があるので、自らの位置をそのつどさがさなくてはならない。だからわたしは、いつも有の無の間でウロウロしているのである。」
(菅木志雄「有と無のあいだで」2017年、本展プレスリリースより抜粋)


「連場」Connected Sites 2017 wood, acrylic h.187.0 x w.150.5 x d.9.0 cm
Photo by Kenji Takahashi © Kishio Suga, Courtesy of Tomio Koyama Gallery


「分因素」Elements of Divided Cause 2017 wood, acrylic h.183.0 x w.183.0 x d.14.0 cm
Photo by Kenji Takahashi © Kishio Suga, Courtesy of Tomio Koyama Gallery


「止空原周」Halted Space, Surrounding Plains 2017 wood h.207.0 x w.164.5 x d.14.0 cm
Photo by Kenji Takahashi © Kishio Suga, Courtesy of Tomio Koyama Gallery


「存律」Law of Existence 2017 wood, cement block h.209.5 x w.122.0 x d.74.0 cm
Photo by Kenji Takahashi © Kishio Suga, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

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