マリア・タニグチ @ タカ・イシイギャラリー東京


Maria Taniguchi Untitled (2017)

マリア・タニグチ
2017年4月21日(金)-5月20日(土)
タカ・イシイギャラリー東京
http://www.takaishiigallery.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※ オープニング・レセプション:4月21日(金)18:00-20:00

タカ・イシイギャラリー東京では、多様なメディウムを通じて、社会的・歴史的文脈を伴う空間や時間の探求に取り組むフィリピン出身のアーティスト、マリア・タニグチの日本初個展を開催している。

マリア・タニグチは1981年ドゥマゲテ生まれ。フィリピン大学で彫刻を学んだ後に渡英し、2009年にロンドンのゴールドスミス・カレッジで修士号を取得。2000年代前半より本格的に作品の発表をはじめ、2011年と2012年にはフィリピンの36歳以下のアーティストを対象としたアテネオ・アート・アワードを二年連続で受賞、2015年にはヒューゴ・ボス・アジア・アート賞を受賞している。近年の主な展覧会に、『History of a vanishing present: A prologue』(ミステイク・ルーム、ロサンゼルス、2016)、『Afterwork』(パラサイト、香港、2016)、『Global: New Sensorium』(カールスルーエ・メディア芸術センター、2016)、『The Vexed Contemporary』(ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート・アンド・デザイン、マニラ、2015)、第8回アジア・パシフィックトリエンナーレ(2015)などがある。

2008年から継続して制作しているブリック・ペインティングと呼ばれるレンガの壁を描いたような絵画作品「Untitled」シリーズは、タニグチ自身が自らの芸術的実践全体の根幹を成すもの、そのほかの作品は同作品の反射もしくは屈折として位置付けている。しばしば数メートルの規模に及ぶ建築的要素を含むその絵画作品は、無数の矩形のセルをひとつひとつ手作業で仕上げることで、表面にわずかな変化と複雑なパターンを生み出している。

本展では、ブリック・ペインティングの大型作品1点とともに、同シリーズの小ぶりの新作絵画12点を発表する。そのほか、ジャワ・プラム(ムラサキフトモモ)と呼ばれるインド・東南アジア原産の硬い木材を使用した新作の彫刻群も展示。これらの巨大な彫刻に象られた「I」と「O」の文字は、電子機器のインターフェースの仕組み(インプットとアウトプット)への謎めいた言及と捉えることができる。

なお、5月には本展覧会のカタログを刊行予定。

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