田中功起『雪玉と石のあいだにある場所で』@ 青山|目黒

田中功起『雪玉と石のあいだにある場所で』
7月16日(土)-8月20日(土)
青山|目黒
機材協力:ARTISTS’ GUILD
http://www.aoyamahideki.com/


Someone’s junk is someone else’s treasure (2011). credit: Created with The Box,
Los Angeles

ロサンゼルス在住の田中功起による青山|目黒では2009年以来、4度目となる個展『雪玉と石のあいだにある場所で』が開催される。本展は、昨年から今年にかけて田中が北米で開催した3つの個展(*1)で発表された作品から構成され、会期中には数度の展示替えが行われる予定であり、再構成を通した同一作品群の異なる見えをもたらす可能性を予感させる。展覧会タイトルの『in a place between snow balls and stones – 雪玉と石のあいだにある場所で』は、本展にも出品される作品「Someone’s junk is someone else’s treasure」(だれかのガラクタはだれかの宝もの)を参照しており、同作品は日米のふたつの作品をきっかけに制作されている。ふたつの作品とは、雪降るニューヨークの路上で雪玉を並べて販売したデヴィッド・ハモンズの「雪玉セール」(1983)と、失業した男が河原で拾った”変わった形の石”を並べて販売し物思いに耽るつげ義春の漫画「無能の人」(1985)であり、そこでは誰でもが容易に手に入れることのできる(無用な)ものを売るという行為を通して、ものの価値が問われている。本展は、この雪玉と石の間に潜んでいる無数の可能性に対して思いを巡らせる契機となるであろう。
現在、田中は台北市立美術館で行われているグループ展『TRANS-COOL TOKYO: CONTEMPORARY JAPANESE ART FROM MOT COLLECTION』などに参加しているほか、8月5日より開催されるヨコハマトリエンナーレ2011にも参加。また、今回の日本滞在期間には、7月29日には森美術館で近作を紹介するトークをはじめ、複数の企画が計画されている。

(*1) 『Dog, Bus, Palm Tree』(The Box, ロサンゼルス, 2011)、『Nothing Related, but Something could be Associated』(Yerba Buena Center for the Arts, サンフランシスコ, 2010)『Random Hours, Several Locations』(YYZ Artist’s Outlet, トロント, 2010)

Comos TV:イメージの思考:第3回「観察と狼狽と行動」
ゲスト:田中功起(アーティスト)
日時:2011年7月22日(金)19:15– ※開場は19:00
会場:studio c.u.t102
定員:15人(予約制) 参加費:1,000円
地図:http://bit.ly/jLhbfs
http://comos-tv.com/

CAMP:「アートを実践することについて」
スピーカー:奥村雄樹(アーティスト)、杉田敦(美術批評)、田中功起(アーティスト)、冨井大裕(アーティスト)
日時:2011年7月25日(月)20:00~22:00 ※受付開始は19:30
会場:LAYS union
定員:30人(予約制) 参加費:1,000円(1ドリンク付き)
http://ca-mp.blogspot.com/
※定員を越えたため申込は締め切られています。

森美術館:「アージェント・トーク007:田中功起」
7月29日(金)19:00–20:30
出演:田中功起(アーティスト)
モデレーター:片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
会場:森美術館ギャラリー1(六本木ヒルズ森タワー53F)
定員:80名(予定)/日本語のみ
料金:無料(要展覧会チケット)
http://www.mori.art.museum/jp/

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