磯崎新 12×5=60 @ ワタリウム美術館


スケッチ・ブックより:サルバドール・ダリの家 カダケス、ポルトリガット、スペイン 2009年

磯崎新 12×5=60
2014年8月31日(日)-2015年1月12日(祝、月)
ワタリウム美術館
http://www.watarium.co.jp/
開館時間:11:00-19:00(水曜は21:00まで)
休館日:月(9/15、10/13、11/3、24、12/1、8、15、22、29と1/12は開館)、12/31〜1/3

ワタリウム美術館では、常に建築の枠組みを超えて、時代や他領域を交錯する問題提起を生み出し続ける磯崎新の「建築外的思考」に焦点をあてた展覧会『磯崎新 12×5=60』を開催する。

磯崎新は1931年大分県生まれ。東京大学工学部建築学科を卒業後、丹下健三に師事し、同大学院博士課程を修了。63年に磯崎新アトリエを設立し、60年代は大分市を中心に、90年以降は国内外各地の建築を手掛けている。建築家であると同時に、芸術家、批評家、思想家として活躍し、昨年より過去50年以上にわたって執筆してきた文章を編集した『磯崎新建築論集』全8巻の刊行がはじまっている。

「建築外的思考」という語は、76年に出版した対談集『建築および建築外的思考』(鹿島出版会)からとられており、一般的な建築の外側の領域、つまり、美術、音楽、映像、写真をはじめとする現代の文化表象全般の思考(=手法)という、具体的「建築外」という側面と、硬直化した近代(建築)に対して、先の文化表象の手法を動員し、その解体と再編を試みる、「アーキテクチャ」という文明論的、思想的「建築外」という側面を持つ。磯崎は「私はたまたま建築家と世間では呼ばれているけれど、本人は「建築外」だけを考えている。他の領域の人々のなかには同じくみずからの専門を超えて思考している人がいる。一歩外に出たところで交換する(中略)外的思考の場でした。歴史的には文人といわれた人たちのやったことです。プロフェッショナルな領界ではないから、暇つぶしにみえたと思われます」と、本展に寄せた「「建築外」極私的空間」の中で記している。


鳥小屋(トリー・ハウス)と呼ばれている軽井沢の書斎

本展では、「建築外的思考」の象徴である「〈鳥小屋(トリー・ハウス)〉と呼ばれている軽井沢の書斎」の実寸模型を中心に、「12の建築外的思考」「12のコラボレーション」「12の栖」「12の旅(東洋篇 オリエント)」「12の旅(西洋篇 オクシデント)」という5つのテーマで12項目に分類して展示が構成される予定。会期中には音楽会や、横尾忠則と磯崎の対談、田中泯のパフォーマンスなど、多数のイベントが予定されている(詳細はワタリウム美術館まで)。


Above: イサム・ノグチと磯崎新 ヴェネツィア・ビエンナーレにて 1986年 撮影:安斎重男
Below: 〈間〉展 日本の時空間 1978年

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