小泉明郎展『帝国は今日も歌う』 @ VACANT

小泉明郎展『帝国は今日も歌う』
2017年5月3日(水・祝)-5月11日(木)
VACANT
https://www.vacant.vc/
開場時間:
会期中無休
入場料:500円
※5/4、5/6のトークイベント時間中は入場不可。

無人島プロダクションと小泉明郎スタジオの共同企画、小泉明郎展『帝国は今日も歌う』が原宿・VACANTで開催される。

小泉明郎は1976年群馬県生まれ。演劇的な要素を組み込んだ映像表現を中心に、現代社会における人間の身体と精神の問題を探求している。近年は、日本社会における国家主義を主題とした制作に取り組みが多い。国際基督教大学卒業後に渡英し、ロンドンのチェルシー・カレッジで映像表現を学ぶ。近年はニューヨーク近代美術館のProjectsやテート・モダンのBMWテート・ライブをはじめ、国内外の数多くの展覧会に参加。2015年には初期作品から新作までを揃えた初の大規模個展『捕われた声は静寂の夢を見る』をアーツ前橋で開催。そのほか、銀座エルメス フォーラムでは高山明との二人展『境界』(2015、企画:住友文彦)、ソウル市立美術館の企画展『微妙な三角関係』(2015)に出品。昨年は『MOTアニュアル2016 キセイノセイキ』にARTISTS’ GUILDの一員として企画に携わるとともに、出品作家としても参加。同展会期中には、無人島プロダクションで個展『空気』を開催。KYOTO EXPERIMENT 2016 AUTUMNの公式プログラムとして、京都芸術センターで個展『CONFESSIONS』を開催した。

本展では、昨年から今年にかけて、オランダのデ・ハーレン・ハーレム美術館で開催した個展『Today My Empire Sings』に出品した新作映像インスタレーション「夢の儀礼−帝国は今日も歌う−」の日本初公開を行なう。昨夏、東京で撮影された本作は、小泉が幼少期に見た奇妙な夢を出発点に、日常に潜む文化の暴力を扱っている。また、本作は小泉が近年取り組んでいる国家主義のテーマをより作家本人の個人史に引き寄せた作品と位置付けることができる。

「私の父は敬虔なプロテスタントのクリスチャンである。その彼が数年前、私のスタジオに来て、当時制作中だった天皇のコラージュ作品を目にした。次の瞬間、表情が一瞬凍りつき、その日はなんだか歯切れが悪い雰囲気で帰って行った。数日後、彼から電話があり、こう告白された。天皇のコラージュを見た瞬間、自分にとって大切なものが傷つけられた気がした。さらに、天皇に対してそのような感情を持っている自分にショックを受けている、と。終戦時7歳だった彼はぎりぎり軍国教育を受けている。その父は、天皇に対しては否定的な意見を口にして生きてきた。イエス・キリストだけを信じて生きてきた。イエス・キリストを唯一の神として信じて生きてきた。しかし75歳にして、自分の心の奥底に天皇が潜んでいたことに気付かされた。」
(本展に寄せた小泉のステートメントより)

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関連企画
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小泉明郎
2017年5月4日(木・祝)15:30-17:00(開場:15:00)
会場:VACANT 2F
入場料:1,500円(1ドリンク付)
※参加イベント当日に限り、トーク時間外の展示観覧可
要予約(http://peatix.com/event/259798

トークイベント vol.2
会田誠(美術家)
小泉明郎
2017年5月6日(土)18:30-20:00(開場:18:00)
会場:VACANT 2F
入場料:1,500円(1ドリンク付)
※参加イベント当日に限り、トーク時間外の展示観覧可
要予約(http://peatix.com/event/259802

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