ヴィト・アコンチ死去(1940-2017)


Vito Acconci, Installation view in the exhibition “Vito Acconci: Where We Are Now (Who Are We Anyway?), 1976” at MoMA PS1, 2016

2017年4月27日、パフォーマンスやビデオアートの先駆的な存在として国際的に知られるアーティスト、ヴィト・アコンチがマンハッタンにて死去した。77歳。

ヴィト・アコンチは1940年ニューヨーク、ブロンクスに生まれる。アイオワ大学で文学と詩を学び、修士号を取得する。60年代後半より詩の発表をはじめるが、しばらくして自らの身体を使ったパフォーマンスと写真などを使ったその記録に表現形式を移す。69年に、路上で見かけた任意の人物の後を追い続ける「Following Piece」(1969)、展示会場の床下に入り込み、床上を歩く観客を想像しながら自慰行為を行ない、その声や音を展示会場に流すパフォーマンス「シードベッド」(1972)、モニタに映る「自分自身」を指差し続けるビデオ作品「センターズ」(1971)など、60年代後半から70年代半ばにかけて発表したパフォーマンス、写真、ビデオ作品は、同世代のみならず後続世代にまで幅広く影響を与えた。その後、アコンチはサイト・スペシフィックな作品を経て、88年にアコンチ・スタジオを設立し、創作活動の中心を建築へと移していった。

69年の初個展以来、世界各地の数多くの展覧会で作品を発表。昨年はニューヨークのPS1現代美術センターの40周年記念展のひとつとして、アコンチの初期作品を検証する企画展が開催されていた。

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