岩崎貴宏「Out of Disorder (Complex)」2009. Courtesy of the artist and ARATANIURANO
2011年5月26日、ヨコハマトリエンナーレ2011『OUR MAGIC HOUR —世界はどこまで知ることができるか?—』の参加アーティストを含む開催概要が発表された。記者会見には横浜トリエンナーレ組織委員会委員長林文子、ヨコハマトリエンナーレ2011総合ディレクター逢坂恵理子、アーティスティックディレクター三木あき子、出品作家の横尾忠則、岩崎貴宏の計5名が登壇した。
ヨコハマトリエンナーレ2011は予定どおりの会期(8月6日–11月6日)で開催されるが、当初の記者会見が開催された3月11日の東日本大震災を経てコンセプトが少し変更された。世界や日常の不思議、魔法のような力、さらには超自然現象や神話、伝説、アニミズム等に言及した作品に注目し、現代美術のみならず横浜美術館のコレクションなどから歴史的な作品も出品する。新たに制作される作品については、震災後にプランが変更されたものが多数あるとされる。
記者会見で登壇した横尾忠則は今回全て新作を発表、1月から開始し現在11点目を制作している。「みえないものをみるように顕在化するが、今回はみえるものをみえなくさせる、という発想で制作している」と話した。次に登壇した岩崎貴宏も時間を凍結させた風景を日用品で制作する新作を発表する。震災の9日後に救出された少年が芸術家になりたいと言っていたというエピソード、そしてこのような状況でも感動を与えられるような活動をしたいという志を語った。
下記の65人/組の作家は参加アーティストの95–98%を構成しており、今後も少し増える可能性があるとされている。日本人の作家が多いことについて、三木は「作品内容できめたので、このような内容になった。外からきた人に日本人作家をまとめてみせる機会にもなる。時間的な問題もあった」と話す。また、下記の作家以外にも、クシュシトフ・ヴディチコによるプロジェクト「アートと戦争」なども連携プログラムとして行なわれる。
前売券は6月1日より全国のプレイガイド、コンビニエンスストアなどで発売される(8月5日まで)。
参加アーティストは下記のとおり(アルファベット順、括弧内は主要関連記事)。
(文中敬称略)
A
安部泰輔
荒木経惟(インタビュー:死を思うと生のことも思うようになる。「生欲」が湧き上がってくるね。、フォトレポート:荒木経惟『愛の劇場』@タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム、荒木経惟『写狂老人Aのフィルム・ノスタルジー』@ タカ・イシイギャラリー)
B
リナ・バネルジー
マッシモ・バルトリーニ(フォトレポート:ART BASEL 41 (2010) Part 11 : 『アート・アンリミテッド』ビデオレポート2)
ミヒャエル・ボレマンス(インタビュー:「静かな謎」の世界)
ジェイムス・リー・バイヤース(フォトレポート:第8回 光州ビエンナーレ 2010 part 2、『The Pilgrim, the Tourist, the Flaneur (and the Worker)』@ Van Abbemuseum)
C
ミルチャ・カントル
ピーター・コフィン(フォトレポート:INDEPENDENT (2011) Part 1)
ヴェナンツォ・クロチェッティ
D
ビョルン・ダーレム(フォトレポート:Frieze Art Fair 2010 part 4)
ヴェルネ・ドーソン
デワール & ジッケル(フォトレポート:『Making is Thinking』@ Witte de With Part 2)
E
マックス・エルンスト
F
オレリアン・フロマン(フォトレポート:Aftermath @ タカ・イシイギャラリー京都)
G
ライアン・ガンダー(おすすめ展覧会:ライアン・ガンダー『You have my word』@ 太宰府天満宮宝物殿、フォトレポート:Ryan Gander @ TARO NASU、その他のフォトレポート:VOLTA 6: 日本ギャラリー、FIAC 2010 – Grand Palais part 4、INDEPENDENT Part 1)
H
ヘンリック・ホーカンソン
韓盛弼[ハン・スンピル]
イェッペ・ハイン(おすすめ展覧会:『イェッペ・ハイン 360°』@ 金沢21世紀美術館、フォトレポート:Frieze Art Fair 2010、Frieze Art Fair 2009: ホワイトキューブ、Art Basel Miami Beach 2010
I
池田学
今村遼佑
石田徹也
岩崎貴宏(フォトレポート:岩崎貴宏「Phenotypic Remodeling」@ アラタニウラノ、その他のフォトレポート:ディスカヴァリーズ Shコンテンポラリー、ART BASEL 41: 日本ギャラリー Part 3(小山登美夫ギャラリー/アラタニウラノ))
泉太郎(フォトレポート:泉太郎 アサヒ・アートスクエア、泉太郎「こねる」@ 神奈川県民ホールギャラリー、その他のフォトレポート:Media City Seoul 2010)
J
チョン・ジュンホ
K
樫木知子(フォトレポート:neoneo展 Part 2 [女子] 高橋コレクション、G-tokyo 2011 Part 2)
マイク・ケリー(フォトレポート:マイク・ケリー @ WAKO WORKS OF ART)
ジルヴィナス・ケンピナス
金理有
ヨアヒム・コースター
L
シガリット・ランダウ
M
前田征紀
ルネ・マグリット
マン・レイ(フォトレポート:『現代美術——ARTとNONARTのラビリンス』@ セゾン現代美術館)
クリスチャン・マークレー(特集:2010年 記憶に残るもの ART iT、インタビュー:The Clock、フォトレポート:ヨコハマ国際映像祭2009、FIAC 2010 – Cour Carrée du Louvre、New York Report, JAN 2011 Part 2、Looking at Music 3.0 @ MoMA)
森靖(フォトレポート:森靖 @ 山本現代)
N
N.S.ハルシャ
リヴァーネ・ノイエンシュワンダー(フォトレポート:ART BASEL (2010) Part 1)
ジュン・グエン=ハツシバ
カールステン・ニコライ(インタビュー:カールステン・ニコライ)
イサム・ノグチ
野口里佳(フォトレポート:『光 松本陽子/野口里佳』)
スーザン・ノリー
O
落合多武(ニュース:落合多武のアーティスト オーケストラ誕生)
オノ・ヨーコ
メレット・オッペンハイム
P
ウィルフレド・プリエト(フォトレポート:W・プリエト&I・ウリアルテ @ タカ・イシイ京都)
スッシリー・プイオック
R
トビアス・レーベルガー
ウーゴ・ロンディノーネ(フォトレポート:Wangechi Mutu / Ugo Rondinone @ Gladstone Gallery、その他のフォトレポート:Frieze Art Fair 2010 part 2、Frieze Art Fair 2010 part 4、FIAC 2010 – Tuileries gardens)
アレクサンドル・ロトチェンコ(国際版・ART iT Picks:Aleksandr Rodchenko & Varvara Stepanova)
S
嵯峨篤
佐藤允(ART iT公式ブログ、フォトレポート:『neoneo展 Part 1 [男子]』高橋コレクション)
島袋道浩(フォトレポート:あいちトリエンナーレ2010 Part 2、『風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから』@ 国立国際美術館)
杉本博司(インタビュー:対談:安藤忠雄×杉本博司「もうひとつの世界をつくる——理想の美術館建築とは?」、ニュース:杉本博司デザインの新美術館オープン、おすすめ展覧会:杉本博司『アートの起源|科学』@丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、杉本博司『アートの起源|建築』@丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中付り観音廻り』@ 神奈川芸術劇場、フォトレポート:『石上純也+杉本博司』@ ギャラリー小柳、杉本博司 @ ギャラリー小柳、その他のフォトレポート:瀬戸内国際芸術祭2010 Part 1、『宇・宙(コスモス)ー原美術館コレクション展』@ ハラ ミュージアム アーク)
孫遜[スン・シュン](おすすめ展覧会:孫遜(スン・シュン)展)
砂澤ビッキ
T
田口和奈
田名網敬一(フォトレポート:Frieze Art Fair 2010 part 5)
田中功起(連載:田中功起 質問する、寄稿:2010年記憶に残るもの 田中功起、おすすめ展覧会:田中功起『トンカツに聴かせたいミュージック(ドキュメント)』上映、フォトレポート:『Making is Thinking』@ Witte de With Part 2)
立石大河亞
冨井大裕(連載:田中功起 質問する 第4回 冨井大裕「見る」という行為が「作品である」ということに近づくとき、「作品」とはなにか、アーティストはなにをしているのか。、フォトレポート:冨井大裕『色と形を並べる』@ レントゲンヴェルケ、その他のフォトレポート:MOTアニュアル2011 Nearest Faraway|世界の深さのはかり方)
戸谷成雄(フォトレポート:G-tokyo 2011 Part 1)
蔡佳葳[ツァイ・チャウエイ]
U
薄久保香
歌川国芳
W
アピチャッポン・ウィーラセタクン(インタビュー:森からバンコクの街へ、ニュース:HUGO BOSS賞2010最終候補者、アジア・アート・アワード初代受賞者発表、アデレード・フェスティバル 2010)
Y
八木良太(ART iT公式ブログ、フォトレポート:MOTアニュアル2011 Nearest Faraway|世界の深さのはかり方)
山下麻衣+小林直人(フォトレポート:Art Stage Singapore – Project Stage)
尹秀珍[イン・シウジェン]
横尾忠則(フォトレポート:『現代美術——ARTとNONARTのラビリンス』@ セゾン現代美術館)
湯本豪一コレクション
ヨコハマトリエンナーレ2011
『OUR MAGIC HOUR —世界はどこまで知ることができるか?—』
会期: 2011年8月6日(土)– 11月6日(日)
会場: 横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、その他周辺地域
http://yokohamatriennale.jp/