ダヴィッド・ヴァイス死去(1946-2012)

2012年4月27日、ペーター・フィシュリとのふたり組のユニットとして国際的に知られるアーティスト、ダヴィッド・ヴァイスが癌のため死去した。享年66歳。
ダヴィッド・ヴァイスは、1946年にチューリッヒに生まれる。同じくチューリッヒ出身のペーター・フィシュリと1979年から共同制作を開始し、日常的なものやステレオタイプなどを用いながら、“常識”を揺さぶるような作品の制作、発表を続ける。タイヤや椅子、ペットボトルなどの日常的なものが、重力や遠心力などによって、ドミノ倒しのようにエネルギーを伝えていく様子を記録した30分間の映像作品「事の次第」は代表作のひとつとして知られる。2003年のヴェネツィア・ビエンナーレでは、数カ国語の手書きの問いが複数のスライド・プロジェクターからランダムに投影される「無題(質問)」を発表し、金獅子賞を受賞している。
2000年以降の主な個展に、バルセロナ現代美術館(2000)、ロッテルダムのボイマンス美術館(2003)、メキシコシティのタマヨ現代美術館(2005)、国立王妃ソフィア芸術センター(2009)、2006年にテート・モダンで開催された回顧展は、その後、パリ市立近代美術館、チューリッヒ美術館、ハンブルクのダイヒトールハーレンを巡回している。また、スイス代表として参加したヴェネツィア・ビエンナーレ(1995、2003)、ドクメンタ(1987、1997)、ミュンスター彫刻プロジェクト(1987、1997)など多数の国際展、企画展に参加。日本国内でも2010年に金沢21世紀美術館にて個展を開催している。

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