2011年のターナー賞はマーティン・ボイスに


Installation by Martin Boyce, Tanya Bonakdar Gallery (2011)

2011年12月5日、イギリス現代美術において最も権威ある賞とされるターナー賞の今年度の受賞者がマーティン・ボイスに決定した。イギリス東部、ニューキャッスル郊外ゲーツヘッド市にあるバルティック現代美術センターで発表された。同センターでは、現在、ターナー賞受賞候補者による作品展が開催中である。

ロンドンではなく、さらにテート各館でもないことで、ロンドンからの注目が薄れることが懸念されていたものの、授賞式はチャンネル4で生放送されるなど、未だにイギリス現代美術における影響力を誇示する結果となった。スコットランド出身のアーティストの受賞は2009年のリチャード・ライト、2010年のスーザン・フィリップスに続いて3人目となる。

マーティン・ボイスは1967年生まれ、グラスゴーを拠点に活動。2009年のヴェネツィア・ビエンナーレのスコットランド代表作家。同展示はその後、スコットランドのダンディー・コンテンポラリー・アーツ(DCA)に巡回した。2011年はグラスゴーのモダン・インスティテュートやニューヨークのターニャ・ボナクダー・ギャラリーで個展を開催。モダニズムを中心としたデザイン史やテキストへの言及とディテールへの細心の注意を払った空間を重視した彫刻インスタレーションが評価された。

1984年に設立されたターナー賞は、毎年、過去1年間の実績を基に、50歳未満のイギリスを拠点に活動する美術家に授賞される。受賞者には賞金2万5000ポンド(およそ304万円)が授与される。また、他の受賞候補者にもそれぞれ5000ポンド(およそ61万円)が授与される。

Turner Prize
http://www.tate.org.uk/britain/turnerprize/

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