柳宗理 死去(1915–2011)

2011年12月25日、日本のインダストリアルデザイナーの草分けとして知られる柳宗理が肺炎で死去した。享年96歳。葬儀は近親者で行なう。

柳は1915年、東京都原宿生まれ。父は民芸運動の創始者、柳宗悦。東京美術学校(現・東京芸術大学)洋画科へ入学するが、建築家のル・コルビュジエに影響を受け、デザインに関心を向けるようになる。第二次世界大戦後からインダストリアルデザイナーとして活動を始める。1950年に柳インダストリアルデザイン研究所を開設し、1953年に柳工業デザイン研究会を設立する。1957年の第11回ミラノ・トリエンナーレで「バタフライスツール」(天童木工製作)が金賞を受賞し、世界的に知られるようになる。1960年代に「バタフライスツール」と「プラスチック・スタッキングスツール」がニューヨーク近代美術館、アムステルダム市立美術館、ルーヴル美術館に収蔵されている。1981年紫綬褒章、2002年文化功労者。2007年には東京国立近代美術館で大規模な回顧展が開催された。

彼がデザインした主な製品には木製・スチール製・プラスチック製等の家具 、自動車、計器、ミシン、照明器具、ナイフ・フォーク・スプーン等のテーブルウェア、コップ・水差し等のガラス製品、陶磁器食器、東京オリンピックトーチホルダー、札幌オリンピック聖火台、東名高速道路の足柄橋や東京料金所防音壁、関越自動車道の関越トンネル坑口など。

(文中敬称略)

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