第15回イスタンブール・ビエンナーレ

 

2017年9月16日より、第15回イスタンブール・ビエンナーレが開幕する。本展は、キュレーターのエルムグリーン&ドラッグセットが掲げる「a good neighbour(良き隣人)」のテーマのもと、イスタンブール・モダン、ガラタ・ギリシア小学校、ARKキュルトゥル、ペラ博物館、ヨーンルク・アテリエ、クチュック・ムスタファ・パシャ・ハマムの6会場を舞台に展開される。

アーティスト・デュオとして、数々の国際展を経験してきたエルムグリーン&ドラッグセットは、昨年12月の記者会見にて、展覧会ステイトメントの代わりとして、「良き隣人とは……」と、その条件を問いかける40の問いを発表した(公式ウェブサイトに掲載)。32カ国から55人/組の参加アーティストは、これらの問いに呼応しつつ、home(家)、neighbourhood(近隣)、belonging(所有)、co-existence(共存)といった概念をさまざまな視点からそれぞれの方法を通じて検討している。また、約30の新作が本展のために制作された。

 

 


Neibour posters in Istanbul.

 

6つの展示会場のうち、ボスポラス海峡を望む港湾地域に位置する現代美術館のイスタンブール・モダン、オリエンタル絵画、アナトリアの度量衡、トルコ西部キュタヒヤのタイルや陶器の充実したコレクションを誇るペラ博物館、イスタンブール市内のギリシア系住民の減少により2007年に閉校となった19世紀後半に建てられた新古典主義建築のガラタ・ギリシア小学校の3会場では、それぞれ10人以上のアーティストの作品を展示。ARKキュルトゥルは元来、住宅として建設、使用されていたものの、近年、展覧会および文化活動のための空間として改修された建物。本展ではエジプトのアレクサンドリア出身で同地とノルウェーのトロンハイムを拠点とするマフムード・ハーリドが展示を行なう。また、ヨーンルク・アテリエでは、地元のアーティスト・コレクティヴヨーンルクが新作インスタレーションを発表する。唯一、金角湾の向かい側に位置するクチュック・ムスタファ・パシャ・ハマムでは、モニカ・ボンヴィチーニスティーブン・G・ローズトゥーチェ・トゥナが展示。各会場でそれぞれの文脈を生かした展示が構成される。

本展に先立ち、旧市街では展示会場が位置する地域に、ブルチャク・ビンギョルが陶製の監視カメラを設置。また、世界各地の都市と「良き隣人」というテーマを共有するための国際ビルボード・プロジェクトとして、ルーカス・ワスマンの写真作品が、モスクワ、シドニー、ミラン、リュブリャナ、アーマー、ダウンパトリック、ニューリー、サウザンプトン、カルガリー、プロヴディフ、シカゴ、ソウル、光州で発表されている。そのほか、アレハンドロ・アルマンザ・ペレダの作品がペラ博物館で、ヴォルカン・アスランの新作映像が公式ウェブサイトで一部公開されている。

 

第15回イスタンブール・ビエンナーレ
2017年9月16日(土)-11月12日(日)
http://15b.iksv.org/
C:エルムグリーン&ドラッグセット
「a good neighbour(良き隣人)」

 


Burçak Bingöl, 15th Istanbul Biennale, 2017 Photo by: Poyraz Tutuncu


Alejandro Almanza Pereda, Photo by: Poyraz Tutuncu


Sofia, 15th Istanbul Biennale curated by Elmgreen & Dragset, Photo by Lukas Wassmann, graphic design by Rupert Smyth

Volkan Aslan Home Sweet Home (2017)

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