VOCA展2018、各賞受賞者発表

 

2017年12月11日、VOCA展実行委員会は、全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどが推薦した34名のアーティストの中から、VOCA展各賞の受賞者を発表した。最高賞のVOCA賞には碓井ゆいの「our crazy red dots」が選出された。

碓井ゆい(1980年東京都生まれ)は、身近な素材を使い、繊細さや素朴さを備えつつも、歴史や文化や社会制度に対する批評性を取り入れた刺繍作品や立体作品、インスタレーションを発表している。近年はギャルリー志門(東京)、横浜市民ギャラリーあざみ野 ショーケースギャラリー、XYZ collective(東京)、小山市立車屋美術館などで個展を開催。アッセンブリッジ・ナゴヤ2016などのグループ展に出品している。現在は小勝禮子の企画により、学習院女子大学で個展『碓井ゆい展 FROM OUR ROOM YUI USUI』を開催している。今回受賞対象となった「our crazy red dots」は、クレイジーキルトの技法を用いた作品で、日の丸のイメージを解体、再構成している。

そのほか、VOCA奨励賞には、藤井俊治の「快楽の薄膜」と、山田七菜子の「磯」、佳作賞には梅沢和木の「すべてを死るのも」と、森本愛子の「唐草文様」が選出された。また、大原美術館が独自の選考で選ぶ大原美術館賞には浦川大志の「風景と幽霊」が選出された。

VOCA展は1994年の設立以来、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に毎年開催されている。全国の有識者に40歳以下の作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式をとっている。
今回の選考委員は、島敦彦(選考委員長/金沢21世紀美術館館長)、光田由里(DIC川村記念美術館学芸課長)、柳沢秀行(大原美術館学芸課長)、小勝禮子(美術史・美術批評)、水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)が務めた。各賞受賞者を含む出品作家と各作家の推薦人などの情報は公式ウェブサイトには掲載されている。2018年3月15日より上野の森美術館にて『VOCA展2018-新しい平面の作家たち-』を開催。

 

VOCA展http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/voca/

VOCA展2018-新しい平面の作家たち-
2018年3月15日(木)-3月30日(金)
上野の森美術館
http://www.ueno-mori.org/
開館時間:10:00-18:00 入場は閉館30分前まで

出品作家(50音順)
會田千夏、芦田なつみ、石井麻希、碓井ゆい、梅沢和木、浦川大志、EKKO、小穴琴恵、表恒匡、川田知志、小泉圭理、越ちひろ、坂内直美、白井ゆみ枝、平良優季、髙田安規子・政子、田幡浩一、中山恵美子、野村康生、BABU、林葵衣、彦坂敏昭、百頭たけし、藤井俊治、前川祐一郎、増子博子、水江未来、森下明音、森本愛子、門馬美喜、山田七菜子、吉田志穂、ワタナベメイ

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