2015年ハッセルブラッド国際写真賞


All Images: Wolfgang Tillmans Installation view at Manifesta 10. Photo: ART iT

2015年3月6日、ハッセルブラッド財団は写真界に多大な功績を残した写真家に贈るハッセルブラッド国際写真賞に、ドイツ出身のヴォルフガング・ティルマンスを選出した。ティルマンスには賞金100万スウェーデンクローナ(約1426万円)が授与される。

ヴォルフガング・ティルマンスは1968年レムシャイト(ドイツ)生まれ。現在、ベルリンとロンドンを拠点とする。約30年の多種多様な実践を通じて、同時代における写真およびイメージ全般の機能や環境について技術的かつ社会的な探求を継続している。2000年には写真を主要な表現手段とするアーティストとして初めてターナー賞を受賞。90年代後半より世界各地で数多くの発表を重ね、昨年は第14回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展、第8回ベルリン・ビエンナーレ、マニフェスタ10に参加、バイエラー財団、ルイ・ヴィトン財団のコレクション展示にも出品している。なお、日本国内でもワコウ・ワークス・オブ・アートで5年振りの個展も開催。今夏には、国立国際美術館での個展も予定している。

ティルマンスは、写真の新しい方向性を継続的に切り拓き、同時代における独創的かつ革新的な作家としての立場を確立。活動当初より政治的、社会的問題を扱いながら、この世界に批評的に関与できる写真の力を示すとともに、写真の展示の在り方を変え、後続世代に多大なる影響をもたらしてきた。ハッセルブラッド財団はこのような実績を評価し、今回の授賞を決定した。受賞者選考委員会を務めたのは、サイモン・ベーカー(テート・モダン、ロンドン)、イリーナ・クミレワ(IRIS財団、モスクワ)、カテリーナ・グレゴス(アート・ブリュッセル)、ロベルト・コッチ(コントラスト・ブックス)、ロクサナ・マルコーシ(ニューヨーク近代美術館)の5名。

なお、授賞式は11月30日、ティルマンスの個展は翌12月1日よりハッセルブラッドセンター(ヨーテボリ)で開催。シンポジウムと作品集の刊行も予定されている。

ハッセルブラッド財団:http://www.hasselbladfoundation.org/

Copyrighted Image