日産アートアワード2015、グランプリ決定


毛利悠子「モレモレ:与えられた落水 #1–3」2015年 「日産アートアワード2015」展示風景 撮影:木奥惠三

2015年11月24日、日産自動車株式会社は2013年に続き第2回目となる「日産アートアワード2015」のグランプリ受賞者に毛利悠子を選出した。グランプリを受賞した毛利には、賞金300万円(ファイナリストの賞金100万円を含む)とトロフィーが授与されたほか、ロンドンのカムデン・アーツ・センターの協力のもと、2カ月間のロンドン滞在の機会が与えられる。また、今回新設された来場者の投票によるオーディエンス賞には、久門剛史が選出された。

毛利悠子は1980年神奈川県生まれ。光や音、磁力や重力など目に見えない力を観客に喚起させる、日用品や装置などを組み合わせたインスタレーションで知られる。審査委員長を努めた南條史生は、最終審査の舞台となった『日産アートアワード2015 ファイナリスト7名による新作展』に出品した作品に対して、「そのルーツを駅の水漏れという「社会の現場」に置きながら、マルセル・デュシャンの引用や、時間、音の導入など、多様なメディアやコンテンツを含んだ作品に昇華させ、作者自身の新たな境地を感じさせるもの」と評価した。受賞発表を受けた毛利は、「これまで自分が考えていた『何をアーティストとしてやるべきなのか』が伝わった気がして非常に嬉しく感じます。ロンドンは現代アートが盛んで、アーティストが発表する場も多いと思います。その中で自分の表現や取り組みをどう伝えていくかを、考えるきっかけになればと思います」と語っている。

なお、毛利や久門を含むファイナリスト7名の新作が出品された展覧会『日産アートアワード2015』は引き続き12月27日まで開催。11月28日には、グランプリを受賞した毛利悠子によるトークが行なわれた。

日産アートアワード2015
2015年11月14日(土)-12月27日(日)
BankART Studio NYK
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/

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ギャラリーガイドツアー
12月5日(土)、12日(土)、19日(土)、26日(土)13:00-13:45
定員:各回先着20名(申込不要)
※当日ギャラリー入り口集合

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