2013年プリツカー賞に伊東豊雄

2013年3月17日、ハイアット財団は今年のプリツカー賞の受賞者に伊東豊雄を選出したことを発表した。授賞理由として、伊東の40年以上にわたり傑出した建築をつくりだしてきた実績、常に建築の可能性を追求する姿勢が評価された。
伊東は1941年、朝鮮京畿道京城府(現・ソウル)生まれ。東京大学工学部を卒業後、菊竹清訓設計事務所に勤める。71年の独立以降、「White U」(1976)など個人邸宅を中心に数々の設計を手掛け、2001年には代表作のひとつであるせんだいメディアテークを完成させた。そのほか主な作品として、TOD’S表参道ビル、多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)、2009高雄ワールドゲームズメインスタジアム(台湾)、今治市伊東豊雄建築ミュージアムなどがある。また、2002年にヴェネツィア・ビエンナーレより生涯功績への金獅子賞を受賞し、2006年には約150年に及ぶ歴史を持つ王立英国建築家協会(RIBA)ゴールドメダル、2010年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2011年より伊東建築塾を開校している。
東日本大震災後には、被災地に人々が集まることのできる建物として仙台市宮城野区に「みんなの家」を、そして、第13回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展(2012)の日本館プランとして「ここに、建築は、可能か」という企画を提案し、乾久美子、藤本壮介、平田晃久に設計を依頼、陸前高田にも「みんなの家」を竣工した。なお、同ビエンナーレでは国別参加部門の金獅子賞を受賞した。
プリツカー賞は1979年にハイアット財団が創設し、建築界のノーベル賞に喩えられる。原則として1年にひとり、もしくはひと組の建築家が選出される。歴代日本人受賞者には、丹下健三(1987)、槇文彦(1993)、安藤忠雄(1995)、そしてSANAA(妹島和世、西沢立衛)(2010)がいる。なお、昨年の王澍[ワン・シュウ]に続き、二年連続でアジア勢の受賞となった。

プリツカー賞公式ウェブサイト:http://www.pritzkerprize.com/

関連記事
インタビュー 伊東豊雄 インタビュー「社会参加を促す建築を目指して」/a>(2011/04/08)

Copyrighted Image