公募|京都芸術センター「キュレータードラフト」

2016年4月20日、京都芸術センターは、隔年で開催してきた公募企画「展覧会ドラフト」を、若手キュレーターの発掘・支援を目的とした「キュレータードラフト」としてリニューアルし、同センター内のふたつのギャラリーを活用した、実験的・意欲的な展覧会企画の募集を発表した。

京都芸術センターでは、2000年の開館以来、若手アーティストおよび若手キュレーターを対象とした公募企画「作家ドラフト」と「展覧会ドラフト」を隔年で開催してきた。キュレーションやキュレーターという言葉がさまざまな機会で使用されるくらい定着してきた現在、「展覧会ドラフト」の名称を「キュレータードラフト」とすることで、意識的にキュレーションの可能性を探る若手キュレーターに企画の場と機会を提供する意図を明確にしたと言えるだろう。

応募条件は、展覧会の準備、開催および撤去に至るまで責任をもって遂行できることと、京都芸術センターとの連絡が円滑にとれること。キュレーターの年齢、国籍、居住地は問わず、出展作品のジャンルや形式も自由。採用された企画には、展覧会会場としての京都芸術センターのギャラリー北・南の使用提供、展覧会制作費として70万円、キュレーターフィーとして20万円が支給される。また、展覧会実現へ向け、審査員によるアドバイスや京都センターによるサポート、広報および宣伝協力などが支援される。

審査員を務めるのは、東京都現代美術館学芸員を経て、現在は展覧会などの企画運営を行なうI plus Nを設立したキュレーターの難波祐子。主な企画に、『こどものにわ』(東京都現代美術館、2010)、国際交流基金主催の『呼吸する環礁』(モルディブ国立美術館、マレ、2012)など。札幌国際芸術祭2014プロジェクト・マネージャー(学芸担当)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014キュレーター、『”TOKYO”—見えない都市を見せる』共同キュレーター(東京都現代美術館、2015)。著書に『現代美術キュレーター・ハンドブック』(青弓社、2015)、『現代美術キュレーターという仕事』(青弓社、2012)、暮沢剛巳との共著に『ビエンナーレの現在—美術をめぐるコミュニティの可能性』(青弓社、2008)がある。

5月29日(日)には、難波祐子とファシリテーターの原久子(アートプロデューサー/大阪電気通信大学教授)を迎え、トークイベント「展覧会の作り方:キュレーションが伝えること」を京都芸術センター、ギャラリー南にて開催。トークイベント終了後には、応募希望者を対象とした会場下見や応募に関する質疑応答を行なう。

受付開始は5月20日(金)。募集締切は6月6日(月)必着。(郵送または持参、持参の場合は20時まで)詳細は公式ウェブサイトを参照。

京都芸術センターhttp://www.kac.or.jp/

トークイベント「展覧会の作り方:キュレーションが伝えること」
出演:難波祐子(審査員/キュレーター)
ファシリテーター:原久子(アートプロデューサー/大阪電気通信大学教授)
2016年5月29日(日)14:00-15:30

林勇気『電源を切ると何もみえなくなる事』
2016年4月5日(火)-5月22日(日)
京都芸術センター ギャラリー北・南、談話室、和室「明倫」
http://www.kac.or.jp/
開館時間:10:00-20:00
会期中無休
※和室「明倫」会場は4月16日(土)-5月1日(日)のみ

Copyrighted Image