愛知県美術館がオリジナル映像作品制作作家に小森はるかを選出

2018年1月18日、愛知県美術館は、映像における身体とは何かをテーマに、開館以来1年1本のペースで制作を委嘱している「オリジナル映像作品」の平成29年度の制作作家に、小森はるかを選出したと発表した。

小森はるか(1989年静岡県生まれ)は、2011年の東日本大震災後に画家の瀬尾夏美とともにボランティア活動のために東北地方に向かい、そこで出会った人々の言葉をきっかけに、津波の襲った地域をビデオ、写真、言葉、スケッチを駆使した記録活動を開始する。以来、アーティストユニット「小森はるか+瀬尾夏美」としての活動は現在も継続している。2012年には陸前高田市に拠点を移し、地元の風景と人々の言葉の記録をテーマとした制作を行なった。2015年に仙台市に拠点を移し、東北で活動する仲間とともに、記録を受け渡すための表現をつくる組織「一般社団法人NOOK」を設立。東日本大震災後に被災地で生きる人々の暮らしを、飾らぬ自然体で捉えた映画『息の跡』(2016)は、2017年に日本各地の劇場で公開されている。

愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品は、これまでに26名の作家に映像作品の制作を委嘱している。過去に制作されたオリジナル映像作品は、愛知芸術文化センター内のアートライブラリーにて閲覧可能(詳細はこちら)。昨年11月に開催された愛知県美術館の第22回アートフィルム・フェスティバルで、草野なつかの『王国(あるいはその家について)』(2017)の初公開が行なわれた。小森の新作も第23回アートフィルム・フェスティバルでの初公開を予定している。

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