フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズ2014

2014年12月6日、キエフ(ウクライナ)のピンチューク・アートセンターで、フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズの授賞式が開催された。フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズは、アンゴラ出身のナスティオ・モスキートとコロンビア出身のカルロス・モッタが受賞。賞金6万ドル(約729万円)と新作制作費4万ドル(約486万円)はふたりに半分ずつ授与される。

ナスティオ・モスキートは、1981年アンゴラ生まれ。植民地支配の歴史や地政学を扱いながら、固定化されたステレオタイプに抗する作品を、詩、パフォーマンス、映像、音楽など多様な形式で発表している。これまでに、第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2007)や第29回サンパウロ・ビエンナーレ(2010)、第9回光州ビエンナーレ(2012)などで作品を発表している。日本国内でも、ヨコハマ創造都市センターで開催された『Sound/Art – Tuning in to Africa いま、アフリカに耳を澄ます』(2013)で作品を発表している。

カルロス・モッタは、1978年ボゴタ(コロンビア)生まれ。ニューヨークを拠点に活動している。ジェンダー・アイデンティティやマイノリティー・カルチャー、政治問題や宗教問題を扱った作品を様々な形式で発表している。これまでにテート・モダン、グッゲンハイム美術館、バルセロナ現代美術館などで作品を発表しており、今回の展示では、ウクライナの同性愛表象小史を扱った作品を発表している。

同賞は、2009年にヴィクトル・ピンチューク財団が次世代のアーティストを発掘、評価、長期的な支援を目的として創設した。3度目の開催となった今回は、148の国/地域から5,500の応募があり、各審査員によって任命された7名からなる選考委員会が選出した最終候補21名が、10月からピンチューク・アートセンターで作品を発表している。最終審査を務めたのは、フランチェスコ・ボナーミ、ドリス・サルセド、ビシ・シルヴァ、フィリップ・ティナリ、ヤン・ファーブル、アダム・シムジック、エックハルト・シュナイダーの7名。

なお、モスキートとモッタのほか、ロシア出身のアスラン・ガイスモフ、ウクライナ出身のニキータ・カダン、同じくウクライナ出身のジャンナ・カディロヴァに特別賞が与えられ、3人にはレジデンスプログラムのための資金が上限2万ドル(約243万円)まで提供される。

 

フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズ:http://futuregenerationartprize.org/

フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズ2014
2014年10月25日(土)-2015年1月4日(日)
ピンチューク・アートセンター
http://pinchukartcentre.org/

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