「ミカリーン トーマス:母は唯一無二の存在」プロジェクト開催

東京・原美術館より

2011年2月17日[木]-6月12日[日] 
プロジェクト 「ミカリーン トーマス:母は唯一無二の存在」(ギャラリーIにて)
併催:「Be Alive! ―原美術館コレクション」(ギャラリーII-Vにて)

アフリカン アメリカンの女性を描いた色鮮やかな肖像画で一躍時の人となった気鋭の作家、ミカリーン トーマス(1971年生まれ)の「ママ ブッシュ:母は唯一無二の存在」(2009年)が昨年原美術館コレクションに加えられたことを機に、作家をニューヨークから招聘し開催する小企画。母を題材にラインストーンで装飾された色鮮やかな巨大絵画を、その絵画の舞台を再現したインスタレーションとともに紹介します。展覧会初日には作家によるトークも開催します(駐日アメリカ合衆国大使館、原美術館主催)。


ミカリーン トーマス 「ママ ブッシュ:母は唯一無二の存在」 2009年

【概要】
ニューヨークを拠点に活躍するミカリーン トーマス(1971年生まれ)は、ラインストーンで装飾された色鮮やかな肖像画で、近年注目を集める作家です。ニューヨーク近代美術館の依頼で制作されたコミッションワークが、2010年3月から10カ月間、53番街側に特別に設えられたショーウィンドウにおいて展示され、一躍時の人になりました。トーマスは、2000年にプラットインスティテュートを卒業、2002年にはイエール大学を修了し、現在は写真やコラージュ、映像そして大型の絵画作品を発表しています。アフリカン アメリカンの女性がモデルをつとめるトーマスの作品は、作家自身のルーツを強く意識させます。挑発的な、あるいは威厳を感じさせるポーズをとる女性たちを大胆に描いたそれらのイメージはまた、70年代アメリカで流行した黒人映画を思い起こさせます。

ミカリーン トーマスの母サンドラ ブッシュをモデルにした絵画「ママ ブッシュ:母は唯一無二の存在」が、当館コレクションに加えられたことを機に企画されたこのプロジェクトでは、作家のスタジオにしつらえられた絵画の舞台を美術館の一部屋に再現し、彼女の感性、そして制作の過程が垣間見られるインスタレーションを展観します。同作品は、その構図からアングルの名作「オダリスク」を想起させる巨大な裸婦像です。さらに映像と絵画が対をなす作品など、作家が「私のNo.1ミューズ」と称する母、サンドラを題材にした作品を中心に構成されます。疎遠になりがちであった娘が、最愛の母親をモデルに制作する過程を通して、お互いの溝を埋めようと思い立ち、これらの作品が誕生したといいます。今回紹介する作品群は、人種やジェンダーなどさまざまな問題を内包するトーマスの作品の原点ともいえるでしょう。

この気鋭の作家を招聘するプロジェクト開催に際し、駐日アメリカ合衆国大使館主催「ブラック ヒストリー マンス」(※)の一環としてトーマスによるトークを開催、東京・原美術館では2月17日[木]に予定しています。また、2月19日[土]より開催される、現代美術では日本屈指のアートフェア「G-Tokyo 2011」におきましても、ミカリーン トーマスの作品が展示され、内外に向けてさまざまな形でこの若き才能の紹介がなされる予定です。

※ブラック ヒストリー マンスとは、1976年からアメリカ、カナダで主に毎年2月(英国やその他の地域は10月)を黒人の歴史や功績を顕彰する月間として定め、人種や価値観の多様性の課題について考える機会を積極的に企画する月間です。このイベントやその他地域でのイベント詳細は、http://connectusa.jp で御確認いただけます。

【開催要項】
プロジェクト名: 「ミカリーン トーマス:母は唯一無二の存在」
会期: 2011年2月17日[木]-6月12日[日](併催:「Be Alive!―原美術館コレクション」)
主催: 原美術館、Hara Museum Fund
特別助成: 駐日アメリカ合衆国大使館
協力: Lehmann Maupin Gallery、ギャラリー小柳

会場:  原美術館 ギャラリーI
(原美術館 東京都品川区北品川4-7-25 〒140-0001)
Tel 03-3445-0651 (代表)ウェブサイト http://www.haramuseum.or.jp
携帯サイト http://mobile.haramuseum.or.jp
ブログ https://www.art-it.asia/u/HaraMuseum
ツイッター http://twitter.com/haramuseum (アカウント名 @haramuseum)

開館時間: 11:00am-5:00pm (祝日にあたる5月4日を除く水曜日は8:00pmまで開館入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日: 月曜日(祝日にあたる3月21日は開館)、3月22日
入館料: 一般1,000円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100円引
交通案内: JR「品川駅」高輪口より徒歩15分/タクシー5分/都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車徒歩3分。毎週日曜のみ、品川駅高輪口より無料ミニシャトルバス「ブルンバッ!」を運行 (協賛 ブルーム バーグL. P./アーティスト 鈴木康広)
ギャラリーガイド: 日曜・祝日には当館学芸員によるギャラリーガイドを実施(2:30pmより約30分)

関連イベント: ミカリーン トーマス アーティスト トーク
2月17日[木] 6:30-8:00pm (開場 6:00pm)
会場: 原美術館ザ・ホール
主催: 駐日アメリカ合衆国大使館、原美術館 (日英逐次通訳付き)
聴講料無料(要予約。展覧会もご覧頂けます)
Tel: 03-3445-0669 
E-mail: info@haramuseum.or.jp
【アーティストトークの内容はこちらよりお読みいただけます。】

【出品作品】
「ママ ブッシュ:母は唯一無二の存在」 2009年 パネルにラインストーン、アクリル絵具、エナメル塗料 274.3 x 365.8 x 5.1cm (原美術館蔵)
「花々のある静物画」 2009年 パネルにラインストーン、アクリル絵具、エナメル塗料 152.4×121.9㎝(ギャラリー小柳蔵)
「私は女(サンドラ)」 2009年 [絵画 (パネルにラインストーン、アクリル絵具、エナメル塗料/91.4 x 71.1cm)、モニタ-(45.7 x 61 x 13.5cm)、DVD](Lehmann Maupin Gallery蔵)
「花を捧げる」 2008年 カラー写真 40×50.2㎝ (Lehmann Maupin Gallery蔵) 
「鏡を持つ女」 2008年 カラー写真 49.5×40㎝ (Lehmann Maupin Gallery蔵)
「アイムセクシー」 2009年 カラー写真 76.2×61㎝ (Lehmann Maupin Gallery蔵)
「ジャスト アン オールドファッションド ガール」 2009年 カラー写真 76.2×50.8㎝ (Lehmann Maupin Gallery蔵)

【作家略歴】
ミカリーン トーマス (Mickalene Thomas)

1971年生まれ。2000年プラットインスティテュート卒業、2002年イエール大学修了。2002~3年、ハーレム スタジオ美術館におけるレジデンスプログラム参加。2010年ニューヨーク近代美術館53番街側ウィンドウのための作品を依頼される。パブリックコレクション: グッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館、ブルックリン美術館、ナショナルポートレイトギャラリー、他。
http://mickalenethomas.com
http://www.lehmannmaupin.com/#/artists/mickalene-thomas

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「Be Alive! ―原美術館コレクション」
2011年1月14日[金]―6月12日[日]

品川駅と原美術館を結ぶ無料ミニシャトルバス「ブルンバッ!」毎週日曜運行中。
[協賛:ブルームバーグL.P./アーティスト:鈴木康広]
アクセス情報はこちら。

原美術館はTwitterで情報発信中!(アカウント名: @haramuseum)
http://twitter.com/haramuseum

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原美術館ウェブサイト
http://www.haramuseum.or.jp
http://mobile.haramuseum.or.jp

ザ・ミュージアムショップウェブサイト(Online shop)
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