サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」 Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展 @ 東京都現代美術館

東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は、Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024の受賞者のサエボーグと津田道子による受賞記念展を東京都現代美術館で開催中。今年はサエボーグが「I WAS MADE FOR LOVING YOU」、津田道子が「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」とそれぞれにタイトルを設けた個展形式での開催となる。制作に対する関心もアプローチも大きく異なるサエボーグと津田による展示は、お互いの空間が独立したものでありながら、鑑賞者の行動が作品の一部となるという共通点を持つ。

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青山悟 刺繍少年フォーエバー @ 目黒区美術館

目黒区美術館では、目黒区出身の青山悟による初の美術館での個展を開催。青山の作品に現れる刺繍されたタバコの吸い殻などは、社会から姿を消そうとしているさまざまな「消えゆくもの」へ視線を促すモチーフであり、問いかけを意味する。手仕事としての刺繍が、ミシンという工業機械に取って代わられることは、現代社会における労働や資本主義の問題を示唆すると同時に、ミシンで大量生産される製品と美術作品の違いとは何かという問題も示す。

AWC(アートワーカーズ連合)アーカイブ展 @ 語らい座 大原本邸

ジュリア・ブライアン゠ウィルソンの研究書の翻訳『アートワーカーズ 制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践』が出版されたばかりのアートワーカーズ連合。1960年代末にニューヨークで結成されたアーティストや批評家たちによる活動を写真資料を中心に振り返る展覧会。

αMプロジェクト2023‒2024「開発の再開発 vol.5 奥村雄樹|我を忘れる身構えの手解きの跡形(我々は数多の知る由もない先行きの面影に湧き立つ)」@ gallery αM

美術家・美術批評家の石川卓磨をゲストキュレーターに迎えたαMプロジェクト2023‒2024「開発の再開発」の5番目の展覧会として、「奥村雄樹|我を忘れる身構えの手解きの跡形(我々は数多の知る由もない先行きの面影に湧き立つ)」を開催。

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コレクション特集「具体美術協会/芦屋」「アプローチ!―アーティストに学ぶ世界のみかた」@ 芦屋市立美術博物館

結成70周年を迎える具体美術協会(具体)の活動を概観する「具体美術協会/芦屋」と、制作を通して世界と関わるアーティストの視点と制作の手法に着目した「アプローチ! ―アーティストに学ぶ世界のみかた」のふたつの特集の下に約1,500点の収蔵作品から厳選した作品を紹介。

吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる @ 神奈川県立近代美術館 葉山

「もの派」の中心作家として台頭し、版画、絵画においても注目すべき作品を残した吉田克朗。初の回顧展となる本展では、代表的な立体作品、油彩、版画を網羅するとともに、重要なドローイング作品を取り上げ、作品・資料約170点、全5章の構成で、転換期を迎えていた同時代の美術動向に向き合いながら、自ら選択すべき道について真摯に問い続けた制作の軌跡を辿る。

シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝 @ 森美術館

シカゴのサウスサイド地区を拠点に、黒人の歴史や社会的包摂に関する言説、地域論や土地開発に着目した幅広い制作活動で知られるシアスター・ゲイツのアジア最大規模の個展を開催。常滑市で制作された陶芸と彫刻が融合した大型インスタレーション、歴史的資料のアーカイブ、タールを素材とした絵画、音響作品、映像作品など、過去の代表作から新作までを、その背景にある黒人史や黒人文化と併せて包括的に紹介する貴重な機会となる。

野良になる @ 十和田市現代美術館

現在私たちが知る「人間」のあり方そのものが、自然を管理すべきものとして収奪してきたのだとすれば、そのおなじ「人間」が自然を「救う」ことができるのかとの問いを立て、人間の自然に対する関係の再考を目指す。丹羽海子、䑓原蓉子、アナイス・カレニン、永田康祐の作品を通して、私たちの思考を規定するさまざまな二項対立的な枠組みの境界を撹乱しつつ強かに息づくあり方や物語との出会いを提示する。

翻訳できない わたしの言葉 @ 東京都現代美術館

自分とは異なる誰かの「わたしの言葉」を別の言葉に置き換えることなくそのまま受け取るとはどのようなことか。ユニ・ホン・シャープ、マユンキキ、南雲麻衣、新井英夫、金仁淑の5人のアーティストの作品を通じて、日本における多様な言語のあり方や、話すという行為そのものとその権利について触れつつ、「ことば」について考える。

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